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(回答先: 条文案作成は見送り 民主、改憲協議促進狙う(共同) 投稿者 世話をかける少女 日時 2005 年 11 月 03 日 23:59:30)
民主党は改憲に向けた基本的見解を集約した「憲法提言」を発表した。
焦点の安全保障分野では「制約された自衛権」という表現で自衛権を明記した。限定的ながらも海外での武力行使も容認している。武力行使容認という点では、先の自民党の新憲法草案と同じ土俵に立つ。ただ武力行使は「最大限抑制する」ことで違いを打ち出そうとしている。
民主党は武力行使にタガをはめるため(1)平和主義(2)「制約された自衛権」の明記(3)国連の集団安全保障活動への参加(4)民主的統制(シビリアンコントロール)の明確化−−の4原則を掲げている。
「制約された自衛権」という概念の中には、個別的自衛権も集団的自衛権も含まれるというのが、これまでの党見解だった。自衛権の行使は、日本周辺で武力紛争が起きて国の安全が脅かされたとき、国連の集団安全保障活動が動き出すまで「緊急避難的」に米軍と共同で防衛することを想定していた。
ところが、提言を取りまとめる党憲法調査会の会合では「海外での武力行使は認められない」との意見が続出して紛糾した。どうにか了承は取り付けたものの、会議後、枝野幸男同党憲法調査会長は「集団的自衛権の行使を容認するとも、しないとも決めていない」と、あいまいな領域に逃げざるを得なかった。改憲派から護憲派まで抱え込んだ複雑な党内事情を映し出すかたちとなった。
民主党が「創憲」に乗り出した背景には、政府の都合のいい解釈で憲法の運用が左右されないようにあらかじめ歯止めをかけておこう、という狙いがあった。しかし、集団的自衛権の解釈をめぐってさえ、まだ党内論議が整理されていないうえ、武力行使の範囲で自民党との違いを出そうとした意図も必ずしも成功したとは言えない。
納得できない点が他にもある。例えば、提言の前文にある「平和創造国家・日本の再構築」との文言は憲法の表現としては大げさでそぐわない。皮肉な言い方をすれば、米国がイラクで始めた戦争は「平和創造」が理由ではなかったのか。「人間の尊厳と共同の責務」の章に「家庭内暴力、セクハラ、国際的人身売買の禁止」まで載っていることにも危惧(きぐ)を覚える。
憲法とは何よりもまず公権力が暴走しないルールを定めること、と主張したのは民主党だったはずだ。個人や家庭の領域に国家権力が恣意(しい)的に入りこめるすき間を自ら作るのは、民主党の本意ではなかろう。
セクハラ禁止などは憲法でなく、法律で処理すれば済むことで、党内議論が生煮えのまま何でも詰め込もうとした印象を受ける。
提言の安保部分は党内の改憲派、護憲派のどちら側からも読み方次第で都合よく解釈できる仕掛けをこらしたのだろうが、逆にそれがあいまいさを残すことになった。党は、提言をベースに来年から国民との対話を重ねるという。身内の対立再燃の火種は残ったままなので、まずは党内の火種を消すことが先決だ。
毎日新聞 2005年11月4日 0時34分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20051104k0000m070128000c.html
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