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三笠宮寛仁さま、女性天皇容認に疑問…会報にエッセー
三笠宮寛仁さま(59)が、自身が会長を務める福祉団体の会報で「女性天皇」に触れ、「歴史と伝統を平成の御世(みよ)でいとも簡単に変更して良いのか」と、疑問を投げかけられていることがわかった。
皇籍を離脱した元皇族の復帰や、元皇族を女性皇族の養子として皇位継承権を与えるなどの方法により、男系継承を守るべきだとの考えを示されている。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は女性・女系天皇の容認を打ち出し、最終報告書の取りまとめに入ったが、この問題について皇族が考えを明らかにしたのは初めて。
寛仁さまの意見が掲載されているのは、福祉団体「柏朋(はくほう)会」の会報。寛仁さまは「とどのおしゃべり―近況雑感」という題でエッセーを連載しており、その最新号で「政治問題で口出し出来ないのですが、会報は市販されておらず“身内”の小冊子と理解し『プライヴェート』に語るという体裁を取ります」と断って「女帝問題」を論じられている。
寛仁さまはまず、「万世一系、一二五代の天子様の皇統が貴重な理由は、神話の時代の初代・神武天皇から連綿として一度の例外も無く、『男系』で続いて来ているという厳然たる事実」と強調。〈1〉皇籍離脱した元皇族の皇統復帰〈2〉女性皇族(内親王)に元皇族(男系)から養子を取れるようにし、その方に皇位継承権を与える〈3〉廃絶になった秩父宮や高松宮の祭祀(さいし)を元皇族に継承してもらい、宮家を再興する――などの方法を挙げられている。
その上で、「陛下や皇太子様は、御自分達の家系の事ですから御自身で、発言される事はお出来になりません」とし、「国民一人一人が、我が国を形成する『民草』の一員として、二六六五年の歴史と伝統に対しきちんと意見を持ち発言をして戴(いただ)かなければ、いつの日か、『天皇』はいらないという議論に迄(まで)発展するでしょう」と結ばれている。
天皇や皇族は憲法上、政治的な権能を有しておらず、有識者会議はその意見聴取をしていない。
(2005年11月3日3時0分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051103it01.htm
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