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「しんぶん赤旗」10月31日14面
韓国・小鹿島(ソロクト)更生園と台湾・楽生院のハンセン病元患者が日本政府に補償を求めた旧植民地ハンセン病訴訟。原告勝訴の「台湾訴訟」、原告敗訴となった「韓国訴訟」と、明暗を分けた結果をどう見るのか、これからのたたかいの展望について、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会(全原協)の谺(こだま)雄二会長(七三)に聞きました。
(菅野尚夫)
【勝利への第一歩】
――まったく正反対の判決となりましたね。
私は「韓国訴訟」の不当判決を法廷で聞き、心から怒りを覚えました。しかし、「台湾訴訟」の勝訴は、「韓国訴訟」の勝利に向けたたたかいの第一歩を築いたと確信しました。
韓国、台湾の原告と私たち日本の支援者は判決後ただちに早期全面解決のために活動しました。
たたかいの目標は二つ。一つは、国に「台湾訴訟」の判決を受け入れさせて控訴を断念させること。もう一つは、「らい予防法」制定(一九〇七年)以来の日本の強制隔離政策によって被害を受けた韓国のソロクト更生園のハンセン病患者・元患者すべてを差別せず救済させることです。
連日行動して、尾辻秀久厚労相、南野知恵子法相との面会を実現し、「そんなに長く時間をかけることはない」と早期解決の回答を得る成果を勝ち取りました。小泉首相も「同情すべき点が多々あるから、よく検討していかなければならない」とのべています。
厚労相が、内外を問わず、被害者すべてをハンセン病補償法で救済することを告示すれば解決できる問題です。仮に、厚労省にその気がないのなら、国会の責任としてすべてを救済することを文言にいれた補償法の修正をすべきです。
【二重の人権侵害】
――全原協は、韓国、台湾の被害者が補償法に基づく補償請求をしたときから支援し、ともにたたかってきましたね。
「らい予防法」によって強制隔離されて被害を受けたすべての人たちが救済されない限り、ハンセン病問題は終わらないと考えているからです。
私は四月に韓国、五月には台湾に行き旧植民地での強制隔離の実態について調査しました。民族的な蔑視(べっし)と差別による虐待はすさまじいものでした。処刑台があってがく然としました。処罰のために少年に断種する、女性の額にもあてられた焼きこてが残っているなど目を覆いたくなるほどでした。
ソロクトから出て「定着村」に暮らす元患者とも会いました。そこでは高齢化が進み、生活保護で暮らしている。保護費が安く、廃品回収の作業をして生き延びています。「定着村」の二百七十四人が新たに補償請求をした意義は大きい。
台湾の楽生院は、集合住宅への移転問題で、「二度目の隔離」問題が起きていました。私も参加してまとめた「ハンセン病問題検証会議」の最終報告書は「植民地民族への差別による二重の人権侵害を受けた」と指摘しています。
新たな差別を作るのではなく平等な補償を実現しなければなりません。
【「兄弟の誓い」を】
――日本、韓国、台湾の連帯したたたかいが広がりましたね。
帰国を前に韓国の蒋基鎮さん(八四)とは、私は蒋さんを「兄さんよ」と呼び、蒋さんは私を「弟よ」と呼び合う「兄弟の誓い」をしました。
この間の行動の中から私に「韓国、台湾の元患者のみなさんへの救済運動をしてほしい」という要望が多く寄せられています。カンパ活動を含めて広く呼びかけていきたい。
日本、韓国、台湾の被害者、弁護士、マスコミ、支援者の国民的連携は貴重です。人間の尊厳にかけて、控訴断念が確定し、全面解決までともにたたかっていく決意です。
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