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自衛軍保持を明記 自民が初の改憲草案
http://www.sankei.co.jp/news/051028/sei070.htm
自民党は28日、現行憲法を全面的に見直し「自衛軍」の保持などを明記した新憲法草案を決定した。環境権など「新しい権利」を盛り込む一方で、「国民の責務」に関する条項を新設。前文に「帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務」をうたうなど、公益重視の内容となった。
全10章で、条文は憲法の補則を除く99の条文に対照させる形で整理。同党が条文形式で憲法改正案をまとめたのは初めて。次期通常国会でまず国民投票法を制定、来年中に予定される民主党の改憲案策定を待ち、憲法改正を政治日程に乗せたい考えだ。
焦点の9条は、「戦争放棄」を定めた現行憲法の9条1項をそのまま堅持、「戦力不保持」を規定した2項は削除し、「国の平和と独立」を確保するため、首相を最高指揮者とする「自衛軍の保持」を明記した。1項の堅持は小泉純一郎首相が28日の協議で指示した。
自衛軍は緊急事態での秩序維持や国際協調活動にも使えるとし、海外での武力行使も可能にした。集団的自衛権は明文化しないが「自衛権に含まれる」として行使を容認。「軍事裁判所」新設も盛り込んだ。
政教分離は社会的儀礼の範囲を超えないことなどを条件に最高裁判例に従う内容とした。
前文はまず自主憲法であることを強調。(1)国民主権(2)民主主義(3)自由主義(4)基本的人権の尊重(5)平和主義(6)国際協調主義―の6原則を「不変の価値として継承する」と宣言し、国際的な圧政の根絶、地球環境の保全も打ち出した。
権利・義務では、現行の権利に加え、知る権利など5つの新しい権利を明記。他方で、国民は「公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う」と、自由と権利の乱用をいさめた。党内に天皇の元首化を求める意見もあったが、象徴天皇制を維持した。
このほか、改憲発議要件を「各議院の総議員の過半数」に緩和し、政党条項を新設。地方自治体を「基礎自治体」と「広域自治体」に分け、自治体の財政自主権を明確にして権限を強化した。
党新憲法起草委員会(委員長・森喜朗前首相)が同日午後の全体会議で最終案をまとめ、政審、総務会で了承された。来月22日の立党50年記念式典で示す。
(共同)
◇
自民党が28日公表した新憲法草案に対する各党のコメントは次の通り。
▽武部勤自民党幹事長 首相経験者をはじめ、多くの皆さんの衆知を集めた。堂々たる新しい憲法草案が発表できる。これをきっかけに国民の間に、日本の生きるべき姿について、幅広く現実的な憲法論議がなされることを願う。
▽東順治公明党国対委員長 集団的自衛権(行使の容認)にはくみしない。いかなる理由でも海外で武力行使する戦争行為にはくみしない。国民的議論につながることが大事だ。全文改正は無理ではないか。
▽鳩山由紀夫民主党幹事長 憲法改正しようとするなら、民主党の合意がないと進められない。民主党がしっかり考えをまとめることが第一。国民を権力者から守るという発想で、国民の権利を高々とうたうべきだ。安全保障や人権や地方分権をもっと詰めて議論しなければならない。与党に協力を求められれば審議を拒む理由はない。
▽志位和夫共産党委員長 自衛軍明記の本当の狙いは、日本の自衛でなく、海外で米国とともに戦争ができる国に日本をつくり変えることにある。無法な戦争に乗り出す国づくりのための憲法改定は許さない。
▽福島瑞穂社民党党首 9条2項削除など、平和主義の理念を根底から覆した。現憲法と戦後民主主義への挑戦で容認できない。前文に「愛情と責任感と気概」を盛り込み、愛国心や国防の責務を国民に強制している。(共同)
≪自民党新憲法草案の要旨≫
第一章 天皇
(天皇)
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
(皇位の継承)
第二条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第二章 安全保障
(平和主義)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(自衛軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する。
2 自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。
第三章 国民の権利及び義務
(基本的人権の享有)
第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。
(国民の責務)
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、保持しなければならない。国民は、これを濫用してはならないのであって、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う。
(個人の尊重等)
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
(法の下の平等)
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
(思想及び良心の自由)
第十九条 思想及び良心の自由は、侵してはならない。
(個人情報の保護等)
第十九条の二 何人も、自己に関する情報を不当に取得され、保有され、又は利用されない。
2 通信の秘密は、侵してはならない。
(信教の自由)
第二十条 信教の自由は、何人に対しても保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及び公共団体は、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超える宗教教育その他の宗教的活動であって、宗教的意義を有し、特定の宗教に対する援助、助長若しくは促進又は圧迫若しくは干渉となるようなものを行ってはならない。
(表現の自由)
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の 自由は、何人に対しても保障する。
2 検閲は、してはならない。
(国政上の行為に関する説明の責務)
第二十一条の二 国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う。
(居住、移転及び職業選択等の自由等)
第二十二条 何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 すべて国民は、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
(学問の自由)
第二十三条 学問の自由は、何人に対しても保障する。
(生存権等)
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、国民生活のあらゆる側面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
(国の環境保全の責務)
第二十五条の二 国は、国民が良好な環境の恵沢を享受することができるようにその保全に努めなければならない。
(犯罪被害者の権利)
第二十五条の三 犯罪被害者は、その尊厳にふさわしい処遇を受ける権利を有する。
(教育に関する権利及び義務)
第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、無償とする。
(勤労の権利及び義務等)
第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律で定める。
3 児童は、酷使してはならない。
(財産権)
第二十九条 財産権は、侵してはならない。
2 財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上及び活力ある社会の実現に留意しなければならない。
3 私有財産は、正当な補償の下に、公共のために用いることができる。
(納税の義務)
第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。
第六章 司法
(裁判所と司法権)
第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行うことができない。
3 軍事に関する裁判を行うため、法律の定めるところにより、下級裁判所として、軍事裁判所を設置する。
4 すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
第七章 財政
(財政の基本原則)
第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて行使しなければならない。
2 財政の健全性の確保は、常に配慮されなければならない。
(予算)
第八十六条 内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、議決を経なければならない。
2 当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、同項の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。
3 前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
(公の財産の支出及び利用の制限)
第八十九条 公金その他の公の財産は、第二十条第三項の規定による制限を超えて、宗教的活動を行う組織又は団体の使用、便益若しくは維持のため、支出し、又はその利用に供してはならない。
2 公金その他の公の財産は、国若しくは公共団体の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対して支出し、又はその利用に供してはならない。
第八章 地方自治
(国及び地方自治体の相互の協力)
第九十二条 国及び地方自治体は、地方自治の本旨に基づき、適切な役割分担を踏まえて、相互に協力しなければならない。
第九章 改正
第九十六条 この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議に基づき、各議院の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体であるものとして、直ちに憲法改正を公布する。
(注)新憲法草案の条文番号は、現段階では、参照の便宜のため現行憲法とそろえた。
(共同)
(10/28 17:55)
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