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郵政民営化法案の陰に隠れて、悪法の数々が成立している。「共謀罪」、身障者イジメの「自立支援法」、サラリ―マンのためにならない「労働関連二法」などだ。独裁者・小泉首相のやりたい放題を許すな!
中世に逆戻りの悪法「共謀罪」
圧倒的多数の「イエスマン議員」を従えて、今や、かのヒトラ―も真っ青にならんばかりの独裁者となった小泉首相。そのパワ―を背景に、いま、国会では国民の知らぬ間に多くの悪法が成立し、また成立寸前までいっている。庶民や弱者に不利な、法律案や法改正がドンドン行われているのだ。
その最たる法律といえば、「共謀罪」にとどめを刺す。
そも一体、共謀罪とはどういう法律なのか―――。警察庁担当者が語る。
「国境を越える犯罪者集団による麻薬密売や銃の密輸、そして人身売買などの重大犯罪を取り締まるため、国連では2000年に『国連国際組織犯罪条約』を採択しました。日本もこの条約に署名したのですが、批准には国内法の整備が必要なんです。そこで、提案されたのが『共謀罪』。組織犯罪対策法の一部を改正する形で’03年の国会で初めて提出されました」
先の衆院解散で廃案になり、今回3度目の法案提出となった。
<現行刑法で「4年以上の懲役、禁固の罪に処す」とされる犯罪行為を団体の活動として行おうと共謀した場合、実行に着手しなくても罪に問える>
一言でいえば、これが共謀罪である。刑法の条文にも犯罪の実行に着手する前の予備行為についての規定があるが、これはあくまで殺人、強盗の重大犯罪に限って処罰するというもの。ところが、共謀罪については対象となる行為は実に600近くあるのだ。さる司法ジャ―ナリストが語る。
「近代憲法のもとでは、処罰されるのは行為≠ネんですよ。単に頭で考えたことや思ったという行為として現れていない段階で、国家が個人を処罰するなんて考えられない。まるで中世に逆戻りしたような前近代的な法律です」
警察当局の言い分は、凶悪化の一途を辿る暴力団犯罪を取り締まるためには「ぜひ必要な法律」という。
実は海外にも同様の趣旨の法律がある。アメリカの『RICO法』、イタリアの『マフィア結社罪』がそれだ。
ちなみに、イタリアで’82年に成立した『マフィア結社罪』には、「3人以上で構成されるマフィア型の結社に加入した者については、3年以上6年以下の懲役」という罰則規定がある。
一方、アメリカはというと、オトリ捜査の天国。『RICO法』の共謀罪とオトリ捜査を巧みに取り入れながら、犯罪者集団を罠にかけているという。思い出すのが「山一戦争」真っ盛りの時代。山口組最高幹部2人がハワイで逮捕されるという事件があった。
「覚せい剤を密売する代わりに武器を密輸しないか」
言葉巧みに現地の捜査官が幹部を誘いだし、山口組と対立関係にあった一和会の山本(広)会長を殺害する謀議を企てたとして、逮捕したのである。
オトリ捜査でおびき出し、共謀罪で逮捕―――踏んだり蹴ったりの扱いを受けたのだ。
「共謀の内容は、ビデオで隠し撮りされていて、裁判では証拠として提出されました」(山口組関係者)
いやはや、こんなことが日本で横行したら、人権なんてないに等しいではないか。
むろん、暴力団だけに適用するなら構わないではないかとの意見もあろう。しかし、そうではない。
「いずれ、対象は労働組合や市民団体にも向けられる。非常に危ない法律ですよ」
前出の司法ジャ―ナリストは警告する。
「米国のRICO法の共謀罪がそうです。当初は犯罪組織にのみ適用されるとしていたのに、実際は法律は一人歩きしていましてね。今では人権運動の街頭行動などでも積極的に適用されているんです。何しろ、相談したり、話し合っただけで何の被害も出ていなくても逮捕できるのですから、恐ろしいですよ」
それは日本でも当てはまるのだ。
「忘れられないのが凶器準備集合罪です。あの法律は昭和30年代、当時のヤクザ、愚連隊を取り締まるために作ったと喧伝しておきながら、実際の運用面では、学生運動を摘発するための格好の道具となったのです。共謀罪もあれといっしょの構図ですよ」(社会部記者)
ちなみに、罰則規定を見てみると、
「死刑、無期懲役、10年を越える懲役、禁固刑に該当する犯罪を謀議した場合は5年以下の懲役、禁固。それ以下の刑に当たる犯罪の場合は2年以下の懲役、禁固」
慄然とする法律なのだ。これが市民運動や消費者運動にも向けられるとしたら・・・。
「例えば、ある会社で欠陥商品を売り出し、被害が出たとする。その抗議行動だって、会社が警察と組めば容易に潰すことができます。会社前での抗議行動も威力業務妨害と見ることができる。すると、そのための相談や合意をした市民グル―プも芋蔓式に摘発できるということです」(司法ジャ―ナリスト)
実際、米国ではそのような弊害が横行しているという。
「動物保護や森林伐採に反対する人々を動物の権利テロ、エコテロリズムと規定し、’01年に成立した反テロ法でどんどん摘発している。法律が一人歩きするともはや、市民の手ではどうすることもできないのです」(司法ジャ―ナリスト)
このほか、悪法の数々は枚挙にいとまがない。たとえば、障害者を自立不能に追い込む『自立支援法』が、10月13日、参院厚生労働委員会で採決され成立した。小誌もこの問題は過去取り上げたので詳細は省くが、とにかくひどい法案なのだ。
「サ−ビスを多く必要とする重度障害者ほど重い負担を強いるという、とんでもない悪法です。弱者切り捨てとしか言いようがありません」(厚労省担当記者)
奴隷制度に逆戻りの労働契約法
サラリ―マンより企業サイドに立っているとしか思えないのが、『労働契約法』と『労働安全衛生法』両法案だ。
『労働契約法』とは、労働契約のル―ル作りを検討してきた厚労省案で、「労使対等」をうたい文句に、「安易な首切り防止」を目指すものだが、そのお題目とは裏腹に、使用者側に有利な悪法である。
大企業を中心としたリストラは一段落したが、それでも解雇や賃下げなど労働者個人と使用者間のトラブルが急増している。厚労省がまとめた’04年度の個別労働紛争の相談件数は16万件を超えた。
このうち、紛争調整委員会にあっせんを申請したケ―スは6014件で、申請者の98%は労働者だ。その内容は、40%強が解雇に関するもの。次が労働条件の引き下げ(13%)と続いている。だが、経営者が話し合いに応じずあっせんを打ち切った事例が、2700件にのぼっている。
こうした使用者側の労働者への不当解雇、あっせん拒否というケ―スをなくそうというのがこの法律の趣旨だが、厚労省の研究会が出した案は逆だ。
「労働契約のル―ル作りを検討してきた『今後の労働契約法制の在り方に関する研究会』の報告を見る限りでは内容がなさすぎます。まず、トラブル解消の方法として、『労使間の信頼関係によって図られるべきである』と当たり前のことを並べているのは呆れますが、その上『監督指導は行わないことが適当』と結論ずけるところなどは、要するに企業が何をやっても関知しないと職務放棄しているようなもの。これでは使用者に『自由解雇権解雇』を与えるようなものです」(同)
ホワイトカラ―を労働時間規制から除外する、『ホワイトカラ―・エグゼンプション制度』の推進も盛り込まれる。奴隷制度とどこが違うというのか。
『労働安全衛生法案』は、先の通常国会で廃案となり、今度の特別国会に再提出されたもので、正式名称は「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案」という長たらしい名称がついている。労安法、労災法、労働保険徴収法、時短促進臨時措置法の4本の法律を一括して「改正」しようとするものだ。
「問題を1つ挙げるとすれば、この法案の一部改正を行うと、サラリ―マンや労働者の過労死予防にはつながらない、ということです。改正では、事業主は月100時間を超える残業を行った労働者で、疲労の蓄積が認められ、本人が申し出た場合は、『医師による面接指導を行うこと』と定めている。だがこれは、’00年2月に出された『過重労働防止通達』より時間が長くなっているのです。通達では、月45時間超の場合は産業医の『助言指導』を、2ヵ月から6ヵ月間で月平均80時間超の場合には産業医の『面接指導』を受けさせることになっていた。これでは後退ですよ」(同)
ところで、小泉首相が突然ブチ上げた道路特定財源の年内見直し。関係省庁は、降ってわいた財源をどう自分の懐に収めるかに躍起だが、かくもデタラメに徴収してきた税金なのだから減税して、国民に返すのが筋じゃないのか。
現在、自動車ユ―ザ―が負担する税金は、ガソリン税や自動車重量税など9種類もあり、総額9兆円を超え、国と地方に吸い上げられている。いずれも道路の建設・補修に使途が限られる目的税とされているが、3兆4000億円が一般財源に転用されている。この税金の取り方からしてメチャクチャなシロモノなのだ。
「『道路整備を急げ』という大義名分で引き上げられた暫定税率が、30年以上も据え置かれたままなのです。すでに税率を引き上げる目的はなくなくなっており、少なくとも本来の税率に戻し国民に還元すべきです」(財務省担当記者)
そういえば、個人情報保護法も個人が守られるのではなく、企業が守られるような法律だ。国会議員は一体、誰のための代表なのか・・・・・・。
週刊実話 2005 11 3
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