★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK16 > 283.html
 ★阿修羅♪
普天間移転めぐり迷走する日米両政府  【ワークショップ沖縄】
http://www.asyura2.com/0510/senkyo16/msg/283.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 10 月 27 日 05:15:59: ogcGl0q1DMbpk
 

沖縄NOW 

普天間移転めぐり迷走する日米両政府


http://www.bund.org/news/20051105-3.htm

----------------------------------------------------------


米軍当局つき動かす住民パワー

沢田ゲンジ

辺野古沖への基地建設断念

 ついに辺野古現地のたたかいは米日両政府を追いつめ、辺野古沖への基地建設を断念させた。行き場を失った基地建設候補地を求め、米軍当局は迷走を深めている。  

 だがこれに助け船を出しているのが小泉首相だ。沖縄県知事が県内の他候補地へのたらい回しを拒否しているにもかかわらず、小泉政権はこれには耳を貸さず、またしても米政府の要求を受け基地の沖縄県内移設に道を開こうとしているのである。  

 ローレス米国防副次官は9月29日、「普天間問題が解決しなければ、中間報告はまとめられない」と述べ、普天間問題の決着を最優先する考えを示し、在日米軍再編・再配置にむけた中間報告をブッシュが訪日する予定の11月中旬までにまとめたいとした。宙に浮いた海兵隊普天間飛行場の移設先をそれまでに決着させ、中間報告に盛り込む意思を明らかにしたのである。日本への早期基地建設に向けたプレッシャーを強めようという意図だ。日本はこれを受け、10月29日にワシントンで開かれる日米安全保障委員会(2プラス2)での合意に向け、詰めに入った。  

 当初より普天間飛行場の移設先については、米軍キャンプ・シュワブ内の兵舎地区沿岸部を推進する日本側の「沿岸案」と、辺野古沖での縮小を求める米国側の「辺野古浅瀬案」が対立し、9月28日までの日米審議官級協議でも物別れに終わっていた。これに対する恫喝が先のローレス発言だ。  

 米側は現段階でも日本案を拒否し続け、日本政府も米側の「浅瀬案」が「環境問題があるうえ、基地の新設になる」(防衛庁)として、反対運動の激化を恐れ米軍基地内の「沿岸案」に固執している。  

 「辺野古浅瀬案」は、もともとは地元経済界などでつくる沖縄県防衛協会北部支部が6月に原案を作成。全長約2500メートル(滑走路約2000メートル)の軍民共用空港を建設する現行計画を見直し、建設予定地を米軍キャンプ・シュワブ寄りのリーフ内浅瀬に移し、規模を全長約1500メートル(滑走路約1300メートル)に縮小するというもの。これを米軍当局が「地元の声」として採用したのだ。だがこの案を支持していた岸本名護市長が次期市長選不出馬を表明したことで、「地元の声」の建前は崩れつつある。  

 「沿岸案」「辺野古浅瀬案」ともこれまでの経緯からして、沖縄県民にとってとうてい受け入れられるものではない。  

 そもそも日米両政府のもとで作られたSACO(沖縄に関する特別行動委員会)は、普天間基地の移設先として(1)シュワブ案(2)嘉手納案(3)海上基地案(現在の辺野古沖案の原型)を検討。最終的に、シュワブ・嘉手納案に比べ、「県民の安全や生活の質にも配慮」した「最善の選択」だとして海上基地案を打ち出したのである。  

 それにもかかわらず、辺野古沖案が行き詰まったからといって、再びシュワブ案を出して来るというのは自己矛盾だ。あまりにも県民を愚弄していると言う他ない。同案は、稲嶺恵一知事自身が現在の辺野古沖案を1999年に受け入れた際、「(周辺集落への)騒音の影響が懸念される」として拒否した案なのだ。沖縄には県内移設をよしとする政治勢力は保革ともにないのである。

都市型戦闘訓練施設も移設

 米軍はイラク戦争の泥沼化にともない、昨年5月末に米軍キャンプ・ハンセン演習場内の「レンジ4」で対テロ・都市ゲリラ訓練用の都市型戦闘訓練施設建設を始めた。住民地域から300m、高速道路から200mしか離れていない危険きわまりない場所だ。  

 その翌日から伊芸区民は建設と演習の中止を求め、池原区長を先頭に老若男女が多数参加してキャンプ・ハンセンゲート前で連日の早朝抗議行動を開始した。1年間におよぶ連日行動の結果、今年5月、日米両政府は民間地から離れた場所に代替施設「レンジ16」を建設することで合意。だが米軍は「レンジ4」の暫定使用を続け、移転がいつになるのかを全く明らかにしなかった。住民の間では、曖昧なままいつまでも居残りを続ける普天間基地の二の舞になるのではという不安が残り、抗議行動は継続された。  

 7月19日には緊急県民集会が開かれ、1万人が参加。超党派の県民集会は95年の少女暴行事件以来10年ぶりだ。稲嶺知事も参加し、施設の即時閉鎖と撤去を決議した。知事は「施設の暫定使用を中止させ、静かな環境を取り戻すために全力を尽くす」と決意を表明、7月25日には小泉首相宛に訓練の中止を要請した。  

 こうした動きに対し、町村外相は「訓練の中止を米に求めるわけにはいかない」と日米地位協定を盾にはねつけ、政府の相も変わらぬ米国の代弁者としての姿をさらけ出した。  

 そしてついに抗議行動477日目の9月15日、日米両政府は「レンジ4」の都市型戦闘訓練施設移設に正式合意した。米軍は移設完了までは訓練を行う姿勢を崩しておらず、「暫定使用」の問題は依然として残る。とはいえ、これは米軍基地の辺野古沖建設中止同様、住民の長期にわたる抵抗が引き出した大きな成果だ。  

 那覇防衛施設局は「2006年度にも建設に入りたい」と述べ、工期は2年半としている。建設反対実行委員会の会長をつとめる地元金武町の儀武剛町長は「強い意志でノーはノーだと言えば、どんな大きな壁も崩せることを伊芸区の運動から教えられた」と訴えた。  

 沖縄県民の「ノー」の声は辺野古で、そして金武町で確実に米軍当局を突き動かしている。問われているのは国民の切実な声を聞き、日本政府自身が「ノー」の声を国民にではなく米政府に突きつけることである。  

(ワークショップ沖縄)


--------------------------------------------------------------------------------

日米両政府、沖縄県、名護市の思惑が交錯

仲宗根盛秀

 沖縄、辺野古の海上基地建設を巡る攻防は現在、大きな正念場を迎えている。  

 建設に反対する辺野古現地での座り込みは10月23日で553日目を迎えた。500日にあたる8月31日には、名護市庁舎前で約400名が結集して「500日集会」が開かれ、市内をデモ行進した。

 2日後の9月2日には、ボーリング調査のため海上に設置されていた4基の単管ヤグラが「台風接近のため」と称して全面撤去された。ついに建設を断念する体制に入ったかと思っていた矢先、政府は9月16日、キャンプシュワブ内陸部への移設案を打ち出してきた。その後、普天間移設をめぐる日米両政府の 意見がぶつかり、攻防が続いている。こうした動きは、10月中に出される予定の米軍再編を巡る政府の中間報告とリンクしたものだ。  

 いずれにせよ、これらの議論はあらかじめ普天間基地の県内移設、辺野古ありきを前提にしており、よくもここまで沖縄県民をないがしろにできるものだという他ない。はっきりしているのは、辺野古沖への「軍民共用」の海上基地建設計画が完全に破綻していることだ。粘り強い反対運動の大きな成果だといえるだろう。  

 その上で、今後新たな動きと向き合う必要がある。日米両政府、沖縄県、名護市長にはそれぞれの思惑があり、この間の議論は各者の焦りが露骨に現れたものだといえるからだ。  

 米軍は普天間基地の移設がなかなか進まないことに業を煮やしている。背景には2012年から米海兵隊次期主力機である垂直離着陸機MV―22オスプレイを普天間基地所属の第36海兵航空部隊に配備する計画がある。次期主力とはいっても、既に何度か墜落事故を起こしているオスプレイを問題の多い普天間基地に配備するのは危険すぎる。そこで米軍は無理して「軍民共用」の大きな空港を作るよりも、軍用ヘリ専用の小さな空港をできるだけ早めに作りたいのだ。  

 日本政府は防衛施設局を通じて、現地レベルの攻防をよく承知しており、海上基地建設の難しさを理解している。そのため、できるだけ既存の基地内への移設がベストだと考えている。  

 沖縄県は辺野古沖への「軍民共用空港の建設」と「15年使用期限」、それが無理なら「県外移設」を稲嶺県政の選挙公約としてきたこともあり、このスタンスを基本的に譲らない構えだ。  

 岸本名護市長は支持基盤である地元経済界の後押しで、「リーフ内埋め立て案」を支持してきた。ところが反対派の猛反発に遭い、県の方針と食い違うこともあって次第に孤立化を深め、ついに来年1月に行われる次期市長選への出馬を断念してしまった。  

 現地レベルでは、ヘリ基地建設を巡る当面の主要な攻防は来年1月の名護市長選挙に向かいつつある。反対陣営は既に保守の一部を巻き込みつつ、候補者を擁立している。  

 辺野古現地では、昨年のボーリング調査が行われる前の状況に戻ってしまった感があるが、毎日のようにカヌーの訓練やボーリング調査用の足場建設を阻止する訓練が行われている。  

 そんな中、先日、海中から単管を引き上げる訓練をしていた女性が海中に沈んでしまい、他のメンバーに引き上げられ、救急車で運ばれるという事故が起きた。皆体をはって基地建設を阻止しようと頑張っているのである。この思いを日米政府の当事者は理解するべきだ。  

 言うまでもなく、問題の真の解決のためには普天間基地の無条件返還、基地の国外移設しかない。沖縄県も辺野古沖「軍民共用空港」建設が破綻した今、当初の主張通り県外移設を打ち出すべきである。そのためには何よりも国内世論の形成が必要だ。引き続き辺野古へのヘリ基地移設阻止へ向けた全国の取り組みをお願いしたい。  

(ワークショップ沖縄)


--------------------------------------------------------------------------------

沖縄人のマグマが噴出する日

仲宗根京子

 7月19日、沖縄県金武町で開かれた「実弾射撃訓練に抗議する緊急県民集会」に、辺野古への普天間基地移設を公約にした稲嶺沖縄県知事が参加した。デモの先頭に立って抗議のシュプレヒコールを上げる県知事。一見矛盾するように見える態度だが、私には沖縄人(ウチナーンチュ)としての魂が為政者の立場を超えた行動を引き起こした瞬間だと思えた。  

 保守・革新を問わず、ヤマト政府には屈しない煮えたぎるマグマが沖縄人にはあり、何かを引き金に噴出することがある。沖縄人の心の原点、「命どぅ宝」の価値観が崩れない限り、時の為政者は今までの行動と矛盾した行動をとることもあるということだ。  

 思い起こせば95年、米兵による少女暴行事件への抗議行動から再燃した沖縄の反基地運動の大きなうねりは、従来の反安保、労働組合・政党中心の運動から女性たちの反戦行動や子供たちへの平和教育へと幅を広げてきた。  

 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」を中心とする女性たちは、「基地をたらいまわしにするな」「日米・安保をホーキせよ」とタライを頭にのせ、ホーキをもって県庁に押しかけた。当時の大田県知事は玄関まで降りてきて、反戦地主の土地を強制使用するための代理署名を「拒否する」と約束。それまで代理署名を行ってきた大田知事の「転向」は、政治の流れを大きく変えた。  

 大田前知事と稲嶺現知事には共通の体験がある。大田知事は先の大戦で、「鉄血勤皇隊の兵士」として戦地にかりだされた。大連で生まれた稲嶺現知事は、移住したタイからの帰国途中、船が撃沈される中で九死に一生を得て生き延びた。2人とも命の尊さ、戦争の理不尽さを身をもって知っているのだ。  

 そういえば大田知事の前任者であった西銘元知事が、「日本人になろうとしてなれなかった沖縄のこころ」を表明していたことは有名な話だ。在日米軍基地の75%を沖縄に押しつけ、基地問題の抜本的な解決ができないままでいる日米安保の矛盾、心の痛みを彼なりに表明した言葉なのだろう。  

 朝鮮戦争やベトナム戦争の特需によって高度成長した日本経済。そのかげで、米軍の前線基地になった沖縄はもの・心ともに大きな犠牲を強いられてきた。物質的な豊かさが人間にとって一番大切なものではないことを知っている3知事の共通の価値観こそ、「命どぅ宝」なのだ。それが時にマグマのように噴き出すのである。  

 次回知事選への不出馬を表明した稲嶺現知事に続き、辺野古沖への基地建設で揺れる名護市の岸本市長も次期不出馬を表明した。怒りのマグマとともに、日本政府、米政府との間に立つ為政者たちの苦悩をみる思いだ。  

 そうしたなかで、辺野古では一年半にもわたって基地移転反対の座り込みが続けられている。ここ東京でも防衛庁や外務省に対する抗議行動が続けられている。これら、「沖縄の心」に是非とも耳を傾けてほしい。

(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)


http://www.bund.org/news/20051105-3.htm

 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 政治・選挙・NHK16掲示板



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。