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私は、河内謙策と申します。『文芸春秋』の今年12月号に、関岡英之氏の「奪われる日本」が掲載され、大きな反響を呼んでいるようです。森田実氏のサイトでも、森田氏が警告を発しておられます(http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/)私は自由法曹団に所属していますが、自由法曹団の中でも、構造改革やグローバリゼーションについて議論をもっと深めようという動きが起きています。それで私は、自由法曹団のMLに「私のおすすめーひとつの映画と2冊の本」と題する、以下の拙稿を寄稿しました。皆様の何らかの参考になれば、と思い送信させていただきますので、よろしく、お願いいたします。(重複してこの情報を受け取られたかたは、失礼をおゆるしください。)
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東京支部の河内謙策です。
先日の団通信で、松島団員が、これから自由法曹団は平和の問題とともに構造改革の問題にもっと力を入れて取り組まなければならない、という趣旨の発言をされているのを読みました。誠にそのとおりだと思います。私流に言うと、現在進められている小泉の構造改革は、世界的なグローバリゼーションの一環ですから、反グローバリゼーションの国内的・国際的運動とともに自由法曹団が進むべきということになります。
その一番最初になすべきことは、なぜグローバリゼーションに反対するのか、グローバリゼーションに反対してその先に何をめざすのか、憲法改悪反対運動と反グローバリゼーションの運動はどのような関係にあるのか、をまず我々の中で討論すべきではないでしょうか。何をいまさら、と思われる方も多いと思いますが、自由法曹団の中では、意外とこれがはっきりしていないのです。私の紹介しようとするひとつの映画と2冊の本は、これに関わります。
まず、私のおすすめする映画は《ALWAYS三丁目の夕日》です。この映画は、『ビッグコミック・オリジナル』に連載されている西岸良平の漫画を映画化したものです。私は、映画評論をする能力はありませんが、“メッセージ”は解読できました。それは、人間が人間としての絆を大事にする社会が本当の人間の社会ではないか、ということです。それが、昭和33年の東京を舞台に叙情一杯に語られるのです。反グローバリゼーションの先に、いや反グローバリゼーションの運動の中に私達が再生すべきものが、見えていると思います。私などは、私の小さい頃と思い出が重なって、思わず涙腺が緩んでしまいました。
私が見たのは、池袋の映画館でしたが、満員でした。しかも、圧倒的に若い人がいっぱいでした。
興味のある方は、以下のサイトにアクセスしてください。
http://www.always3.jp/index02.html
次にお勧めする本は、藤原正彦著『国家の品格』(新潮新書)です。著者は数学者で、作家新田次郎の次男としても有名ですが、この本は、とにかく過激な本です。著者の結論には、賛否両論があるでしょうが、著者が反グローバリゼーションの立場に立っていることは間違いありません。本のカバーには、この本の内容が以下のように要約されています。「日本は世界で唯一の『情緒と形の文明』である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき『国柄』を長らく忘れてきた。『論理』と『合理性』頼みの『改革』では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、『国家』の品格を取り戻すことである」
“なんだ、右翼じゃないか”と思われないで、一読されることをお勧めします。
最後にお勧めする本は、高銀・吉増剛造著『「アジア」の渚でー日韓詩人の対話』(藤原書店)です。
高銀(コウン)氏は、韓国の民主化と半島の統一に生涯をかけて来た、アジア最高の詩人、という呼び名も高い方です。吉増剛造氏は、日本の先鋭的な現代詩人として高い評価を受けている方です。この本を読めば、アジアの反グローバリゼーションの思想的・文化的高みを感じることが出来ます。日本の反グローバリゼーション運動は、まだまだ政治的・経済的側面が強すぎること、が実感されます。興味のある方は、http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/%EF%BD%8A-2005/06/0506j0615-00001.htm にアクセスしてみてください。更に興味のある方は、この本と共に、『環』第23号(藤原書店)を読んでください。
以上、私が最近、面白いと感じたものを独断的に紹介させていただきました。皆様の討論の参考になれば幸いです。
河内謙策
http://list.jca.apc.org/public/aml/2005-November/004404.html からの転載。
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