★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK16 > 1274.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
だが、本当に恐ろしいのは、このような目に見える動きではない。一見、それとはわからずに、じわりと時代を変化させていく動きのほうが、はるかに恐ろしいことを知っておくべきである。
そして、すでにその兆候が現れている。
その1つが、「共謀罪」を盛り込んだ組織犯罪処罰法などの改正案である。前国会では衆議院解散にともなって廃案となったが、今国会で3度目の国会提出となった。
これは、実に恐ろしい法律である。
その恐ろしさをわかっていただくためには、「共謀」という用語の意味から説明する必要があるだろう。
犯罪をすでに犯していれば、その犯罪はもちろん「実行(既遂)」である。これが罪に問われるのは言うまでもない。だが、まだ実行されていない犯罪については、いくつかの段階があり、それによって罪の内容が微妙に違ってくる。
その段階を示す用語が、「未遂」「予備」「共謀」である。
このうち、「未遂」とは、犯罪にとりかかったものの、目的を達せずに終わった場合のこと。これは、場合によって減刑の対象となるが、原則的に罪が問われる。
「予備」というのは、犯罪そのものは実行されていないが、その準備をしている状態のこと。たとえば、殴り込みに備えて竹槍を用意していれば、「予備」の状態である。
この段階で罪に問われるのは、殺人、放火、強盗、内乱といった大きな犯罪の場合のみ。そうでない限り、予備の段階で逮捕されるということはない。
「共謀」は、予備よりもさらに手前の段階であり、相談や議論をしている状態を指す。これは、言うまでもなく現行法では無罪である。
ところが、今回の改正案によると、最高刑4年以上の刑事罰をともなう犯罪について、共謀罪を幅広く適用するという。
もし、この法律が通過するとどうなるか。
たとえば、私が居酒屋で知人と話をしていて、「小泉の野郎、殴ってやりたいぜ」などと言うと、それだけで暴行罪の共謀に問えるというわけだ。
日本の為政者の誰もがこだわった「治安維持法」の継続 実はこれ、戦前の悪名高い「治安維持法」と同様の法律といってよい。ところが、これほど重大なことだというのに、なぜかマスメディアの動きが鈍いのがおかしい。総選挙の圧勝ぶりに気押されて、何を言っても無理だとあきらめているのだろうか。
一部の新聞で、アリバイ作りのように取り上げてはいるが、マスメディアがキャンペーンでも張って反対を叫ばない限り、いつのまにか国会を通過していたということになりかねない。
もちろん、共謀罪が国会を通過したからといって、いきなり逮捕者が続出するということはないだろう。
小泉首相が戦争をやりたがっているとは思えないし、そもそも、この法律と戦争を結びつけてはいないに違いない。おそらく、現場の人間にとって、凶悪な組織犯罪やカルト教団の取り締まりに、共謀罪があれば捕まえやすいというところなのだろう。
http://nikkeibp.jp/sj2005/column/o/06/02.html からの転載。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK16掲示板