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『さらば戦争!映画祭』に行った。
井筒監督が、映画祭の最後に行われたトークで、パッチギの続編を構想中だと明らかにした。
俺が見に行ったのは、2日目の日曜日。3本が上映された。
1本目『あんにょん・サヨナラ』
監督:金兌鎰(キム・テイル) 共同監督:加藤久美子 2005年、100分
大東亜戦争中に、日本軍に徴用され戦死した父が、遺族の意志を無視して靖国神社に祀られていることを知った娘 李熙子(イ・ヒジャ)さんの靖国合祀取り下げの闘いを追ったドキュメント。
靖国神社に合祀取り下げを訴えに行ったときの、右翼の馬鹿どものセリフが酷い。「汚い朝鮮人は帰れ」。若い女の子に殴りかかるなど、とても、礼儀と志を大切にする右翼とは思えない場面に怒りがこみ上げる。靖国に巣食う偽右翼がいかに多いかを、この映画が証明している。当然ながら現場にいた警察官は、暴力行為を見てみないフリだ。
本来であれば、日本人への憎悪が助長されてしかるべき状況だが、 『在韓軍人軍属裁判を支援する会』 など、日本人による支援運動のおかげで、「日本人に対する偏見がなくなった」という李熙子さんの言葉が救いだ。
2本目『にがい涙の大地から』
監督:海南友子 2004年、90分
http://kanatomoko.jp.todoke.net/nigainamida/niga_index.html
日本軍が、中国に遺棄した毒ガスや砲弾によって被害を受け、悲惨な生活を強いられている中国人たちのドキュメント。開発が進む中国で、今も日本軍遺棄兵器による被害は続いている。
被害者の中国人たちは、日本政府を相手取って裁判に訴えた。2003年9月29日、東京地方裁判所は、原告の訴えを全面的に認め、国の賠償責任を命じた。画期的な裁判であったが、国は控訴。現在も裁判は続いている。
http://www.peace-justice.jp/ja/index.php?%BA%DB%C8%BD%A4%CE%BE%DC%BA%D9#content_1_1
日本政府の対応は酷いものだったが、中国の医療制度も酷いものだ。社会主義なのに、医療費は有料。金が払えなければ治療は打ち切られてしまう。毒ガスの被害者は、経済的に困窮を極めている者ばかりというのに。
映画に出てくる女の子リュウ・ミン(27歳)は、日本軍の砲弾の爆発で父親を失って以来、8年間、1日も休みなく、一日17時間労働を強いられている。映画は、社会主義中国のスバラシイ実態も浮き彫りにする。
3本目『パッチギ!』
監督:井筒和幸 2004年、119分
1968年の京都を舞台に、朝鮮高校の女の子キョンジャ(沢尻エリカ)に一目ぼれした康介(塩谷瞬)と、日本人の高校生とのケンカに明け暮れる、キョンジャの兄アンソン(高岡蒼佑)の、ほとばしる青春の暴力とセックスと笑いの日々を放送禁止曲『イムジン河』をからめて描いた傑作!
これ、今年のナンバー1映画だと思う。
しょっぱな、京都に修学旅行に来ていた長○水産高校のボンクラがキョンジャをからかって、朝鮮高校のガキどもに観光バスごと倒されたのは実話である。
井筒監督は奈良出身だが、高校生の頃、映画は大阪まで行って観にいったそうだ。その頃の大阪生野区鶴橋はケンカの激戦区。いつも朝鮮高校と日本人高校のガキどものストリート・ファイトがあちこちで観られたそうだ。
その体験が『パッチギ!』のベースとなっている。撮ろうと思ったのは、松山猛の「イムジン河」に関する本がキッカケとなった。「半島と日本の関係を見直す、ちょうど良い機会」だと思ったそうだ。どうせ作るなら「日テレやフジテレビをギャフンと言わせてやる映画にしてやろう」と、井筒監督は考えた。懐古趣味ではなく、今の問題として、拉致の話には触れないでおこう、焦点がぼやけるから。
話の内容が内容だけに、助監督が朝鮮と日本の歴史をまとめたものを作って、出演者全員に配って映画を撮った。
井筒監督は怒る。北朝鮮は、アメリカとしか休戦条約を結んでいないこと、韓国と北は、いまでも戦争状態であることなど、知っている日本人がどれだけいるのか?
何一つ、何も変わっていない。拉致は非人道的なことだが、北は今も戦争中なんだ。
『パッチギ!』は、一部をカットされ、韓国でも上映されている。本来なら韓国の映画監督が撮るべき映画だ。しかし、韓国人は、軍事独裁政権が長期にわたった時代背景もあり、在日朝鮮人が受けている差別を知る人は少ないのが現状だ。
映画の最後で、康介がキョンジャに言うセリフ、
「心から君としたいんだ」
これぞ、青春。なんと清清しい。どんな日韓条約よりも「やりたい」。この一言が、朝鮮と日本の交流となる。青春とはそんなものだ。
題名の『パッチギ』は、乗り越える、突破するという意味だが、映画の中では、名曲『イムジン河』が乗り越えるものの象徴として効果的に使われる。
この曲は、もともと北朝鮮の詩を、松山猛が日本語に訳したものだが、2番は、北の政治宣伝的内容が濃いものだったので、平和を願う内容に、松山猛が意訳した。
それが、総連のクレームとなって、東芝レコードは抗議を受ける。当時、東芝は韓国で家電製品を販売しようと画策しており、自民党、親会社の意向もあって、販売自粛となった。そんなゴタゴタがこの歌の背景にある。
井筒監督は、最近、東映からヤザワエイキチ(在日朝鮮人)を主人公で映画撮らんか? と誘われたが、内容が今の時代に作る意味があるとは思えず、断った。
今、考えているのは『パッチギ! 第2章』。
朝鮮高校を卒業した彼らに、就職はあるのか? パチンコ、不動産、ヤクザ、金融業、焼肉屋、そんなことしかないだろう。それなら芸能界や!!
紅白歌合戦は、在日朝鮮人がいなければ成り立たない。朝鮮人が大活躍の芸能界を徹底的にやる。
「キョンジャ役の沢尻エリカの暇なときに、芸能界の戦争と平和を描きたい」
と、井筒監督は宣言。会場からは大きな拍手が、巻き起こっていた。
投稿者:死ぬのはやつらだ at 01:19
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