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若い頃に滝沢克己氏の「インマヌエル論」にお世話になった事がある。
その当時の私はある事件に遭遇し、進退窮まっていた。
「このまま進めば、死に遭遇する可能性が高い」…その様に思わざるを得なかった。
しばらくの間、数週間にわたって思い悩んでいたのだが、
突然に「光明」が現れて、
「正しいと信ずるままに行動すればよい。後は心配無用。」との助言を聞いたようであった。
その後、前進を続けていったのだが、不思議にも安全に進んでゆく事が出来た。
その前進の過程で滝沢氏の著作に接し、彼の「インマヌエル」論を理解したのであった。
直前に体験していた事につき、理論的裏付けを得る事が出来たわけである。
「インマヌエル」は、
神、我と共にあり と言う事である。
しかしながら、神は何時も我らと共に在るものではない。
現実には、人も神もお互いに離れるものである。
滝沢氏の著作はそれに答えてくれるものではなかった。
従って、その後の私の思考は行き詰まった。
滝沢氏は実践家であり、宇野経済学をもって社会の改革を目指し、精神的支柱として唯物論ではなく、危機神学を採った。
滝沢氏はインマヌエルを常に唱えて、神と人との緊張関係の説明をされる事は無かった。
「神」、その言い方は止めよう。「根源」とする。
「根源」と「人」とはどのように媒介されるかが宗教によって大きな分かれ目になる。
媒介するものがなければ、「根源」と「人」とは離れたものとなる。
キリスト教においては厳密にはその諸宗派の間に違いはあるが、
イエス・キリスト一人が媒介者である。
そして、それは継承される事は無く、時が来て「再臨」するとされるのである。
ローマ法王はキリストの直接的な継承者ではない。
また、プロテスタントはローマ法王にすら従わないものである。
イエス・キリストが、また釈迦がスメラミコト(天皇)の様に、「天津日嗣」の様な継承をされないのは、それが実は彼らの弟子達が創り上げた「宗教」であるせいである。
キリスト教も仏教も、その開祖は、
キリストや釈迦ではなく、
彼らの弟子達であるというのが正しい。
キリストや釈迦が「この様な教団を造れ」と言ったわけではないのだ。
ユダヤ教でも、媒介者の継承者は居ない。聖職者が居るだけである。
キリスト教にも仏教にもユダヤ教にも終末論が存在するのは、
「根源」(神)との媒介の欠如を前提にした教義から来るものと考えることが出来る。
即ち、「根源」の発せられる愛から長く離れれば、罪と穢れが浄化される事無く蓄積し、一挙に浄化される時を迎えなければならなくなると言うわけだ。
その「一挙の浄化」が「終末」なのである。
宗教の立場からは特異と見られるであろう事は、天皇の地位の天津日嗣による継承である。
これに似ているのが、ラマ教の聖職者の継承である。
ダライ・ラマが亡くなると、新しく生まれた赤ん坊を国中に探して、ダライ・ラマの生まれ変わりと看做して、この赤ん坊が継承するのである。
天皇では勿論のことお子様やご兄弟が継承されるわけである。
大人が継承する事は、安全性が高いのである。
安徳天皇は幼児であり、是は失敗であった。
孝明天皇から明治天皇への継承についても疑念が去らない有様である。
幼少の継承は宜しくないのだ。
天皇やダライ・ラマの継承スタイルは古くからのものであると考えられる。
何故に天皇の地位が長きに渡って継続されてきたか?
その天津日嗣の意味を探ってみる必要はあるだろう。
無意味なものは存続しないからだ。
尤も、「媒介者」が存在していてもその事だけで、「根源」からの愛を受ける事が出来て人々が安全に暮らせるわけではない。
太陽に何時も背を向けていれば、体の半分に光が当たるだけである事のに等しい。
天皇の地位の万世一系とは穿ってみれば、天津日嗣のスムースな継続の実行を命じたものと言えよう。
天皇を棚上げして何事も進めれば、天皇は人とも政治とも無関係なものとなる。
即ち、「根源」からの愛と人との関係は断たれることになる。
また、天皇の権限とされているものに触れると宜しくない結果が招かれるものと考えられる。
ちなみに、石原莞爾が板垣征四郎と組んで満州事変を始めたが、天才の誉れ高い彼が東條英機から圧迫を受けて、予備役に下らざるを得なかったのは、天皇の統帥権を犯して勝手に関東軍を動かして満州事変を始めた事によるものと考える。
いま、自民党も民主党も勝手気ままに外圧に乗って憲法改悪を目論んでいる。
これを国民を騙して強行するとあらば、天罰があたる事は確かである。
国民もぼんやりしていては、「根源からの愛」は受けられない。
かく考えるわけである。
長々と読みつらいであろう投稿を失礼しました。
ご自由にお読みください。
滝沢克己氏とインマヌエル↓
http://www.hi-ho.ne.jp/shizuo_shimoyam/inmanueru.htm
http://www.takizawakatsumi.com/
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