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<小泉アジア外交>中韓両国は態度硬化 孤立感漂う(毎日)
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投稿者 片瀬テルミドール夏希 日時 2005 年 11 月 19 日 08:25:11: x0P0raHFBfKZU
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051119-00000019-mai-pol

 朝鮮半島で世界の大国である日米中露4カ国の首脳が、史上初めて一堂に会した今年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)。各国とも活発な首脳外交を展開する中、日本は小泉純一郎首相の靖国神社参拝が障害となり、今ひとつ精彩を欠いている。小泉首相はブッシュ米大統領との親密さを振りかざして、中韓両国に「友好」の確認を迫るが、両国はむしろ態度を硬化させてしまったようだ。強気一辺倒で押す「小泉アジア外交」には、国内政局と勝手が違って当分、局面を打開する見通しもなく孤立感が漂う。

 日韓首脳会談は18日、30分で終わった。もともと韓国が日本に割り当てた時間は、議長国として他の多くの参加国首脳を迎えるのと同じ20分間。隣国のよしみとは程遠く、一般外交儀礼の範囲にとどまる待遇だった。

 会談の後半、議題が歴史認識問題に入ると、和やかな空気が「真剣なやり取り」(外務省幹部)に変わり、小泉首相は最後に年内の盧武鉉(ノムヒョン)大統領訪日を招請するあいさつも述べる余裕もなく時間切れになったという。

 なぜ参拝するのかについては、小泉首相はこれまでの説明を繰り返したが、今回、新たに「自由と民主主義、複数政党制、市場経済の価値観が共通し、米国と同盟関係にある国同士じゃないか」という論理を持ち出した。ブッシュ米大統領が16日、京都市で行った「東アジア外交演説」を踏まえているのは明らかだ。

 小泉首相は「こういう国は世界にあまりない」とも述べたという。「政治、経済、軍事のどの分野でも、米国を介した数少ない兄弟分ではないか」という理屈で説得しようという考えらしい。

 訪韓前、日米首脳会談の後に述べた「日米関係が良好であればあるほど、中国、韓国、アジア諸国や世界各国と良好になれる」という考えを、直接、盧大統領にぶつけたわけだ。

 しかし、米国の威光を背に、対中、対韓関係を好転させようという戦略は、今の中国、韓国を相手に、にわかに成果を予想しにくい。むしろ、小泉首相が最も嫌う「対米依存」の外交体質を、図らずも露呈したとも受け止められかねない。

 その証拠に、中国は韓国と外相・首脳会談で、靖国参拝反対を確認したうえで、日本との首脳会談に応じなかった。通り一遍な日韓会談と合わせ、日米中韓の4カ国で首脳外交の濃淡を比べると、小泉首相の存在が埋没し、孤立している現実は否定しようがない。

 日本が頼みの綱とする米国は、他の3カ国といずれも濃密な首脳外交を積み重ねる。しかも、ブッシュ大統領は遠まわしな表現で、日中関係のぎくしゃくぶりに懸念を示し始めている。米国の対中戦略にも得策ではないからだ。小泉アジア戦略は、ブッシュ対中戦略ともズレを来す可能性をはらんでいる。一連のAPEC首脳外交で、その一端がのぞいた。
【釜山・伊藤智永】

 ◇米の影響力警戒しつつ日本との「橋渡し」期待…中韓

 中国の胡錦濤国家主席は17日、プーチン露大統領らと会談したが、小泉首相との会談には「条件と雰囲気が整っていない」(中国外務省)として応じない構えだ。4年余り途絶えた日中首脳の相互訪問に代わるものとして、これまで国際会議を利用して首脳会談が行われてきたが、今回は中国の強硬姿勢が際立つ。

 その背景の一つに、日米同盟の強化をはじめ、米国がアジアでの影響力を強めている状況がある。来月の東アジアサミットに米国は参加しないが、日本が主導権を握ると米国の意向が反映されるのではないかと中国は警戒感を強めている。小泉首相の「米国最優先宣言」が、この中国の懸念を和らげたはずもない。

 その一方、「中国も対日関係をとことん悪化させるつもりはない」(外交筋)との見方がある。16日の中韓首脳会談後の共同声明では歴史問題に触れたものの、日本に対する名指しは避け、共同記者会見で胡主席は歴史問題に言及しなかった。東シナ海のガス田開発などの課題も多く、日本の出方を見極めようとしているようだ。

 韓国にとって小泉首相の姿勢は「米国一辺倒」と映る。17日の慶州での米韓首脳会談でも親密さは演出したが、実際には対北朝鮮政策の違いが顕著なだけに、「日米蜜月」への視線は複雑だ。

 小泉首相の10月の靖国神社参拝以来初めての日韓首脳会談を、韓国政府高官は「公式会談ではなく、簡単な面談だった」と言い切った。外交儀礼的な30分の「面談」の中で盧武鉉(ノムヒョン)大統領は、テーマを靖国、歴史認識、竹島(韓国名・独島)の3点に絞り「日本の考え方は、決して受け入れられない」と強く迫った。

 とはいえ盧大統領は、日韓関係を今のまま放置できないという気持ちも強いようだ。17日の会談でブッシュ大統領に日韓の歴史問題を訴えたのも、小泉首相を説得してほしいというメッセージだったと言える。日韓共通の同盟国である米国に「橋渡し役」を求めざるを得ないところに韓国のジレンマがある。
【釜山・成沢健一、堀信一郎】

(毎日新聞) - 11月19日3時7分更新

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