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カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/
2005-11-16
■[雑記]「やる気」の問題じゃないよ 02:15
宮台先生を批判するのは色んな意味で気がとがめるが、言及しておく。
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=311
■ここで漸く「希望格差論」を論じるべき段取だ。「やる気」が親の階級的位置で決まる(ので本人責任に帰属できない)とする苅谷剛彦や山田昌宏の議論である。前述のリベラル左翼は、これを再分配や平等教育(反ゆとり教育)による階級格差是正論へと結合する。
■それは違う。上述の歴史を踏まえて言えば、否定されるべきは「(親の)階級格差による(子の)やる気の決定」で、「やる気による(本人の)階級格差の決定」は肯定されるべきだ。「階級格差によるやる気の決定」の緩和こそ、学校教育に期待される機能だろう。
格差社会化で問題になっているのは「やる気」の問題じゃなくて、「土俵に上がるチャンスがない」問題なんですよ。酷いこと言うけど、宮台先生は御育ちがお宜しいから、「やる気」の問題という、「非社会学的な」問題に回収しているのだけど、それは宮台先生の目に「階層」が見えていないからだと思いますよ。
批判ついでに、もっと深刻なことを批判しておこう。
宮台先生が世に出るきっかけとなったオウム事件と、宮台先生が多く言及された酒鬼薔薇聖斗事件、この両事件は警察による情報操作がたくさんあり、情報操作が実際にあった、ということを宮台先生は何回か勇気を持って発言くださったけど、しかしながらオウム事件の後ろにいまだ未解決で横たわる、警察官僚と宗教団体と暴力団の結託の問題はすげえ深刻な、何より深刻な問題だと思うのだが、宮台先生の言説はそこから大衆の目を逸らすために機能していたと思うんだが、それは意識してのことだろうか? 実は長いこと不思議に思っていたんですけど。ついでに言うと、酒鬼薔薇聖斗事件で「情報操作」していた「加害者」も、同じ連中だと私は踏んでいるんですが。で、結果として宮台先生は「加害者」と共犯関係を結んでいるように思うんですが。
さて、あめぞうもなーからの補足ですが、まずカマヤン氏が文中で触れているオウム事件について。オウム事件ではなぜかオウムの大幹部が暴力組織構成員にカメラの前で刺殺されたり、あるいは教団施設で作っていたと思われる覚せい剤が暴力組織に流れていたのではないかという話が未解明のままであったり、あるいは坂本弁護士一家惨殺事件の捜査を警察が故意に怠っていたのではないかとの疑惑もあったりと、とにかく未だに「解決」していないことが多い事件なわけです。
また酒鬼薔薇聖斗事件についてですが、こちらはその「情報操作」については私あめぞうもなーは何ら具体的事実は知らないのでありますが、しかし酒鬼薔薇聖斗事件の影に公安当局の影があると指摘する勢力は以前から存在しておりまして、それは皆さんご存知かと思いますが、「革マル派」です。「革マル派」と言えば陰謀史観で有名ですから、それを聞いただけで多くの方は「酒鬼薔薇聖斗事件公安背後説」をタワゴトと片付けてしまうでしょうが。ただしこのカマヤン氏が「革マル派」であることはないような気がします。むしろ色々な陰謀を知りすぎて何でも陰謀に見えてきてしまっているような方だと・・・。
さて宮台真司についてですが、一言。日本国内で美味しい物食って暖かい部屋に篭って、ブルセラについて調べてきた人間が言いそうなことです。なんというか地に足がついていない論理と映るのです。現実をふまえてではなく、空論をふりまわしているという気がします。
例えば「階級格差」と言えば、国内での派遣労働者のそれはもう悲惨な状況ってのがまず思い浮かぶわけですが、派遣労働者は賃金もあるいは住居さえも安定しないので結婚すらできないなんて人も続出しているわけです。もちろん子供なんて持てはしません。そういう人を前にして宮台の説というのはなんと空虚なものでしょう。宮台の頭には何不自由なく子供を産めて、そして学校に通わせることのできる日本人しか存在しないのでしょう。
あるいは、この日本はいわゆる「先進国」というやつで、国内企業が人々を搾取するだけではなく、企業・個人ともに海外からも富を収奪してきているわけです。それは南米のコーヒー農園からの買い叩きであったり、あるいは搾取工場の運営であったり、様々な手段があるわけですが。つまり国内では企業からの搾取で被害者的立場である者も、ある面においては加害者の一員であるのです。例えば、西友を買収しているウォルマートなどの途上国工場はトイレに行く時間すら与えられていなかったりするが、それで安くしあがった製品が先進国の「消費者」に「安い」の一言で買われていくわけです。国内の「消費者」というキーワードには触れても、そういう途上国の人達の境遇への同情も、そしてそれへの対策なんてのも宮台真司からはあまり出てきていない気がします。
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