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06年度の一般会計予算編成で政府開発援助(ODA)を巡るせめぎ合いが本格化してきた。外務省は、小泉純一郎首相が7月の主要国首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)で、ODA積み増しの方針を表明したのを追い風にODA増額を要求。一方、財務省は「聖域なき歳出削減」を掲げて削減を目指す。政府内の調整は年末まで難航しそうだ。【吉田慎一】
ODA予算の扱いは、20日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政制度分科会(会長・西室泰三東京証券取引所会長)で議論された。ODAで実施する事業の入札価格が高止まりしていたり、供与された機材が使われていない例が示され、西室会長は「まずコスト削減や効果の検証を進めるべきだ」と指摘。同分科会は「昨年以上に厳しく抑制すべきだ」との認識で一致した。
04年の日本のODAは一般会計と財政投融資などを合わせて161億4800万ドル(約1兆8570億円)。しかし、この中には過去の円借款の返済金を再活用して別の国や事業向けに貸したり、貸した債権を放棄した分が含まれる。国連は、こうした分を除く新たな資金の投入額をODAの規模と見なし、国民総生産(GNP)の0.7%以上になるよう求めている。ところが、アジア諸国の経済発展に伴い円借款の返済が増えているため、その再活用分を除く新たな投入資金は04年で88億5900万ドル(約1兆187億円)、GNP比は0.19%にとどまる。
そこで、小泉首相がサミットでODAを今後5年間で100億ドル(約1兆1200億円)増やす方針を表明、無償資金協力中心のアフリカ向けを今後3年間で倍増させる考えも示した。そのため、00年度から減らしてきた一般会計のODA予算にも増額圧力が掛かり、06年度概算要求は05年度予算比11.7%増の8782億円に膨らんだ。
しかし、ODAには、財投債(国債の一種)で集めた資金を活用する円借款も含まれるほか、今後行う一部の債権放棄も国連が認めるODAに含まれることから、財務省は「一般会計予算を増やす意味は薄い」と説明。ODA聖域化に抵抗している。
◇政府開発援助(ODA)
先進国が、貧困に苦しんだり、産業や技術の遅れた発展途上国に資金提供するなどして支援することです。途上国に直接行う2国間援助と、国連などの国際機関を通じた多国間援助があります。
2国間援助には返済を求めない無償資金協力、低利子で長期間貸し付ける有償資金協力、専門家派遣などの技術協力があります。有償資金協力は円で貸し付けるため円借款とも呼ばれます。援助を受けた国は医療や教育の水準を上げたり、ダムや橋を造ったりします。
日本がODAを始めたのは1954年です。当時は戦後賠償の意味合いが強く、ビルマ(現ミャンマー)を皮切りにアジア諸国に拡大しました。経済発展とともに規模は膨らみ、89年には米国を抜いて世界1位になり、00年までその座を維持しました。日本が援助したのは180以上の国・地域に上っています。
日本のODAが急拡大した背景には、軍事力に代わる国際貢献が必要だったほか、貿易黒字に対する米国の批判をかわしたり、日本企業が途上国に進出しやすくする狙いもあったと言われます。
日本は有償資金協力が目立ちます。04年度はインド、中国など16カ国に計約7000億円の円借款を約束しました。返済義務を課して自助努力を促すことが、国の発展には重要という考えからです。日本も、有償援助を受けて新幹線や高速道路を造り、発展した歴史があります。【町田明久】
毎日新聞 2005年10月22日 19時20分 (最終更新時間 10月22日 21時25分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20051023k0000m020043000c.html
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