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(回答先: 首相の靖国参拝、欧米紙が論評(日経) 投稿者 らくだ 日時 2005 年 10 月 19 日 07:32:03)
10月19日(ブルームバーグ):原油価格の最高値更新や鳥インフルエンザ、債務の拡大、金利の上昇、貧困と、アジア各国首脳が抱える経済面での課題は尽きない。そうした悩みを共有できないのは非常に残念なことだ。
こうした状況は、A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社への小泉純一郎首相の参拝が大きく影響している。首相は17日、2001年4月の就任以来5回目の参拝を行った。その結果は過去4回と同様で、アジアの大国との間で溝が広がった。アジア諸国間の不協和音の責任のすべてが、日本にあるというわけではない。中国は目的に適する場合にナショナリズムをあおることに長けている。現実を直視すれば、今年は第2次世界大戦終結から60年だ。しかし、小泉の参拝は、少なくとも関係を悪化させている。
それは中国が今週、10月23日に予定していた町村信孝外相の訪中を受け入れられないとの立場を表明したことで十分示されている。韓国も来月予定されていた日韓首脳会談を中止する方針だ。こうした会談は、アジアの大国がより緊密な関係を築く上で数少ないチャンスだ。欧米諸国と競合していこうとするときに必要なアジア諸国の協調という意味からすると、昨今の不和は残念だ。
アジアがやるべきこと
日中韓は最近の原油高のなかで、高い成長を維持するために力を合わせるべきだ。自由貿易圏、アジアでの債券市場の構築、株式市場の結合、会計方法の標準化といった点に注力すべきだ。北朝鮮の核兵器をめぐる緊張緩和に協力して取り組むべきだ。日中韓政府は、現在、米国債に投資されている巨額の貯蓄を一層自国に還流させる方法を工夫する必要がある。そうした資金は国内の起業家を助け、インフラ整備につながり得る。アジアのリーダーたちはまた、鳥インフルエンザ対策を練らなければならない。日本については、アジアの投資家に対し、一層の国債購入を促す必要がある。
問題なのは、アジアの大国の間で確執が広がっている状況では、その1つとして実現の可能性がないことだ。アジア諸国の不和が続けば、債券利回りや株価に影響を与えることもないとはいえない。
アジア諸国が力を集結し、過去にとらわれて未来をつぶさないようにするなら、それは今だ。アジアには北大西洋条約機構(NATO)のような組織が存在せず、ナショナリズムの流れを緩和するフォーラムがないからだ。アジア太平洋経済協力会議(APEC)のようなフォーラムは実行力に欠け、結局は地域首脳が主導権を握っている。日中間での東シナ海でのガス田開発など、多くの問題がアジア主要国間に存在する。中韓がアジア諸国の対立改善に向けて一層の役割を果たすことが可能なのは確かだが、関係修復でリーダーシップをとるべきは、伝統的にアジア経済のエンジンとなってきた日本だ。残念なことに、日本の首相は靖国参拝をやめることでどれだけ親善が図れるのか分かっていない。
ねじれた理屈
9月の衆議院選挙で小泉首相率いる自民党が圧勝したことは、多くの国民が靖国参拝の是非を重要視していないことを示している。首相は積極的な外交政策を公約している。これは恐らく、日本のリーダーは国際問題ではなく国内問題と判断している問題については覆すことはないことを意味しているのだろう。小泉首相のねじれた理屈は国内では通じるかもしれないが、ほかのアジア諸国では通用しない。靖国神社には、250万人の一般戦没者に加え、第2次世界大戦の14人の戦犯が祭られている。アジア諸国は、靖国神社を日本の軍国主義の象徴と位置付けており、指導者の参拝は日本が戦時の残虐行為について償う姿勢がないことを表しているとみている。
小泉首相は17日、「長い目で見ればいずれ中国や韓国にも理解してもらえる」と述べた。そんなことはない。日本は60年前に降伏したが、アジア諸国間の緊張は依然として高い。首相の職務として参拝したのではないと強調したが、中韓はそんな微妙な点には関心を示さない。
日本の当局者たちはアジア諸国との関係改善の必要性を理解している。谷垣禎一財務相は18日、中国との関係について、「全体的に相互依存関係が随分進展しているので、そういった関係は単に2国間関係だけでなく、アジアにとっても世界経済にとっても意義がある。そういう良好な関係を発展させるように努力しなければならない」と強調した。しかし同日、与党自民党と野党の議員、合わせて100人以上が靖国神社を参拝した。アジア諸国の関係改善は台無しだ。
際立った高成長率を背景に、21世紀がアジアの世紀であることにほとんど疑いの余地はない。アジアは依然、より成熟し透明性の高い市場を有する欧米に比べ後れを取っている。過去の確執が、将来に向けて大いに必要とされる協力を阻害しているのだ。(ウィリアム・ペセック・ジュニア)
(ウィリアム・ペセック・ジュニア氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Asia's Past Still Clouding Economic Future: William Pesek Jr. (抜粋) {NXTW NSN IOKSLX07NBB5 更新日時 : 2005/10/19 14:57 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html
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