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予防・負担増で医療費抑制 厚労省が改革試案、罰則も
2005年10月19日23時49分
厚生労働省は19日、06年度から実施する医療制度改革の試案を公表した。高齢化で増え続ける医療費の伸びを、高齢者を中心とした患者の負担増や生活習慣病の予防などで抑えるのが柱だ。都道府県ごとに抑制に向けた政策目標を作らせ、達成できなかった場合の罰則的な措置も盛り込む。年内に政府・与党案をとりまとめ、来年の通常国会での関連法案提出を目指す。医療関係者などには患者負担増への異論がある一方、政府内には一層の抑制を求める声も強く、今後、抑制幅が焦点になる。
試案は、現行制度のままだと56兆円に膨らむ25年度の医療給付費を、7兆円抑えて49兆円に圧縮する方針を明記した。
短期的な抑制策として、70~74歳の人の窓口負担を1割から2割に、70歳以上で一定所得以上の人は2割を3割に引き上げ▽長期入院患者の食費・居住費の自己負担化▽高額療養費制度の自己負担限度額引き上げ――などを実施。中長期的には、40歳以上の全国民が健康診断を受けられるようにして生活習慣病を予防するほか、都道府県ごとに定める「医療費適正化計画」で抑制する。
適正化計画は08年度からの5カ年計画とし、糖尿病患者の減少率や入院日数の短縮、健診受診率、在宅で亡くなる人の割合などについて、地域ごとに目標を立てる。
目標を達成できなかった自治体には、新しく設ける高齢者医療制度への都道府県負担を増やすなどの罰則的措置を課す。公的保険から医療機関に支払われる診療報酬についても、地域限定で医療費を抑制するための誘導策を特例的に認めることを盛り込んだ。
一方、政府の経済財政諮問会議の民間議員が求めている経済指標と連動した抑制策をとった場合の25年度の医療給付費を42兆円と試算。厚労省案との7兆円の隔たりを埋めるための追加的な抑制策として、75歳以上の窓口負担も原則2割(一定所得以上は3割)に▽外来1回当たり1000円以下を医療保険の対象から外す「保険免責制度」導入▽診療報酬を10%減額▽食住費の自己負担化をすべての入院患者に拡大――などの選択肢を示し、今後の議論に委ねた。
懸案の新たな高齢者医療制度については、08年度をめどに創設すると明記した。対象は75歳以上で、財源の5割は公費で、市町村が運営主体となる。高齢者の保険料は年金からの天引きとし、施行5年後に見直すとした。
中小企業会社員らの政府管掌健康保険は、これまでの全国一律の運営を都道府県単位に分割。労使と都道府県などの代表からなる公法人で保険料率などを地域ごとに決められるようにする一方、市町村単位の国民健康保険や中小の健康保険組合については再編・統合を促す方向を打ち出した。
http://www.asahi.com/life/update/1019/003.html
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