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1年後から恐らく瓦解へ向かうと見る専門筋
圧勝自民党にはガッカリだ
選挙に大勝し83人の無能新人が小泉の手下になったとたん、自民党総務会はわずか10分間で前国会で廃案になった悪郵政法案を異論なく全員了承の体たらく。政治家としての人材は最早1人もいなくなった政権政党のこれからの暗黒
「これだけ勝ったから4年間は解散はない。任期満了まで寝ていられる」―――。
小泉クレ―ジ―首相が勝ち誇っている。
「殺されたっていい」とせっぱ詰まってタンカを切ったのがウソのよう。緊張感も真剣味もなく、「人生いろいろでありますが、候補者もいろいろ、議員もいろいろ、選挙区もいろいろ」と悪ノリ。「野党は与党に近ずかない限り政権は取れない」なんてしたり顔で民主党にダメ出ししている。まさに「我が世の春」。300議席オ−バ―に、のぼせ上がっている。
国会も完全に小泉自民ぺ―スだ。大敗した民主党に「国会控室をもっと差し出せ」と迫ったり、野党第1党に渡すことが慣例になっている副議長ポストまで要求。結局、副議長と4委員長ポストは与えたが、「野党が過剰に拒否権を発揮すれば民意の否定になる」(中川秀直国対委員長)と恫喝している。いまや怖いものナシだ。
自民党内も小泉の思うがまま。83人の新人議員が小泉の手下になった途端、総務会は前国会で廃案になった郵政民営化法案をたった10分で了承だ。
野党は無力、党内には異論なし。これでは小泉が浮かれるのもムリはない。
「1ヶ月前に反対していた議員が、雪崩を打って郵政法案に賛成するのだから、もうメチャクチャです。そんなことを気にもしないくらい自民党内はタガがゆるんでいる。上から下までイケイケドンドン。憲法改正に向けた動きが急ピッチで進むだろうし、増税も言い出してくるでしょう」(政治評論家・有馬晴海氏)
300議席のバブルに踊る小泉自民は、やりたい放題やろうとしているのだ。
英「自由党」は選挙圧勝後わずか6年で消滅
小泉自民を暗示
しかし、そんな栄耀栄華がいつまでも続くと思ったら大間違いだ。巨大政党は、過去ことごとく自滅、瓦解している。
「刺客だ」「マドンナだ」と目くらましで水ぶくれしたとなれば、なおさら近いうちに反動があるはずだ。
1918年に英国で起きた異変≠ヘ、小泉自民党の行く末を暗示している。「文芸春秋」(10月号)で京大教授の中西輝政氏が詳細にリポ−トしている。
第1次世界大戦に勝利し、8年ぶりに総選挙を迎えた時、ロイド・ジョ―ジ首相率いる自由党内には、独裁的な首相への不満が渦巻いていた。
それに対し「ケルトの魔術師」と呼ばれるほど大衆人気があったロイド首相は、「党が私を拒むなら、私を支持する党員だけで解散に打って出る」と宣言。自分に反対する候補者は公認せず、逆に支持する候補者には「公認証書(ク―ポン)」をどんどん配った。自由党員でなくても、首相が会って気に入れば「ク―ポン」を渡したという。
しかもロイド首相は、反対勢力に次々と話題の候補を「刺客」として送り込んだ。「ク―ポン」vs「ノンク―ポン」の激しい選挙選に、英国民は興奮。世論は沸騰した。
結果、ロイド政権は707議席中、478議席を占める大勝利を収めたのである。
ところが、である。圧勝した総選挙から4年後、ロイド・ジョ―ジ首相は、自ら「ク―ポン」を与えた陣笠代議士たちの大反乱に遭って、あっけなく政権から追い落とされたのだ。さらに、その後「自由党」は分裂を繰り返し、1924年の総選挙までには、跡形もなくなったのである。
選挙に至る経緯から選挙戦術まで、何から何まで小泉自民党にソックリじゃないか。こう言っちゃなんだが、小泉チルドレンは、政治信条も哲学もない議員が大半。風向きが変われば、いつ首相を裏切っても不思議じゃない。小泉自民党は、決して万全じゃない。
自民党は「ポスト小泉」めぐり1年後には瓦解へ
300議席で内紛勃発
それでなくても小泉政権は崩壊の火種をいくつも抱えている。この特別国会で「郵政法案」が成立した後、小泉のレ―ムダック化を防ごうと、『公務員改革』や『政府系金融改革』『議員年金廃止』をブチ上げているが、どれも難問ばかりで簡単じゃない。インチキ改革でごまかすつもりだろうが、それでは支持率が急落するだけです」(政治評論家・本澤二郎氏)
300議席の巨大与党がアダとなり、かえって崩壊に拍車をかける可能性も高い。自公は圧勝して浮かれているが、数があれば政権が安定するってものではない。
中曽根内閣は86年7月のダブル選挙で衆院309議席を獲得。余勢を駆って通常国会で売上税法案を提出したが、野党の反発にあって国会は紛糾、予算の年度内成立もままならない状況に追い込まれた。
また、99年10月に発足した自自公政権は衆院357議席の巨大与党に支えられたが、「介護保険制度見直し」や「PKF凍結解除」などで3党間にきしみが生じ、結局、翌年4月に連立は崩壊している。
「300議席もあったら、いずれ党内に不協和音や驕り、緩みが生じるのは確実です。とくに自民党は、1年後を目指して『小泉後継レ―ス』がこれから本格化する。ポスト小泉をめぐって、大紛糾するのではないか。圧勝した自民党が思わぬ方向へ暴走する可能性は十分にあります」(政治評論家・山口朝雄氏)
郵政法案が総務会で異論なく了承されたように、いまや人材が枯渇し、「ポスト小泉」も見当たらない自民党。衰退した英国の自由党と同じ運命をたどることになるのではないか。
日刊ゲンダイ 2005 9 27
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