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昨夜は憲法の学習会に参加した。参加した人のお母さんは「憲法は年金問題より大事だ」と言ったらしい。
自民党の改正憲法草案を読む。やたらと目につく「公益及び公の秩序」という言葉。これでは権力者が国民を縛る前近代的憲法に近いではないか。
『まんが 日本国憲法』 (石ノ森章太郎・まんが監修、浦田賢治・監修)
というのがある。子ども達が憲法を理解するのに役だつかもしれないという下心で買ったのだが、利用したのは宿題の参考文献程度だったようだ。
子どもだけでなく、大人が読んでも解説やQ&Aなど中身が充実していると思う。
▼一部抜粋
◎国政の主人公は「国民」
「国民主権」とは、国の政治のありかたを最終的に決定するのは国民である、という考え方である。言いかえれば、国政の根源は国民にある、したがって国民が国政の主人公である。・・・・・・・
この意味の「国民」は、選挙権を持つ有権者には限られない。すべての国民のために、国家はその任務を負っているからである。その意味での主権者としての「国民」には、未成年者や、成年者であっても法律上選挙権を行使できない状態にある人も含まれる。
◎立憲民主主義
「国民主権」は、民主主義の手段である。
民主主義の目的は「人間の尊厳」を基礎とした、人権の保障である。「人間の尊厳」とは、人間ひとりひとりを、自分のありかたを自分で決めることのできる主体として尊重することである。従って、自国の政治のありかたについても、国民自身が最終決定権を持つのである。
ものごとは、優れた知識や能力をもつ少数の人だけで決めたほうが効率的かもしれない。しかし、どれほど賢い人でも、他人が何を望んでいるか、あるいは望んでいないのかは、それが表明されないかぎり知ることはできないし、それを真剣に配慮するものだという保障もない。・・・・・・・
このような民主主義を維持するためには、単なる多数決ルールを守るだけでは不十分である。民主主義自体を否定するような決定は、多数決による決定であっても、認められない。また、民主主義を維持するために欠くことのできない人権(選挙権や表現の自由)は、不当に制限されることのないよう、とくに配慮されなければならない。こうした考えに基づいた民主主義を、とくに「立憲民主主義」という。
◎平和憲法の歴史
戦争の悲惨さは、洋の東西を問わず古くから語られてきた。平和な生活を願わない人はいないであろう。しかし、現実には、戦争が絶えることはなかった。常に「正しい戦争」と「正しくない戦争」とを分けて、自国の戦争は「正しい戦争」だと、考える論理によって、戦争は繰り返されてきた。従って、平和を制度化するための努力は、世界の憲法史の流れのなかで、つねに重要な課題だったのである。・・・・・・・
「第二次世界大戦」への反省から生まれた『日本国憲法』の平和原則___@戦争放棄、A戦力不保持、B平和的生存権___も、こうした流れにそって、これをさらに前進させたものと言える。
★ 憲法9条を変えたがっている人間たち、彼らが目指している集団的自衛権とは、日米安保条約を補完した「日米軍事同盟の強化」である。「国際」とか「集団」というのは、アメリカとの関係を強調しているのであって、中国や韓国といったアジア圏ではない。アメリカとの軍事的協調関係を重視する形での軍備増強であるが、それはアジアでの緊張をさらに高めてしまう。
小泉政権になり近隣諸国との関係はそれでなくとも悪化しているが、「憲法9条」のカセが取れてしまえば、外交の修復はより困難になろう。「9条」は最後の砦だと考えている。
10年ほど前、米ラファイエット大学のL・W・ビーア教授(法律学者)は、「もし新憲法がなかったら、戦後の日本はどうなっていただろうか」という想定でシナリオを描いた。
「天皇は神秘的な中心に据え置かれ、党派的な政治によって操られていただろう。軍隊は復活し、文民統制の下に置かれるにせよ、やがて核兵器を保有しただろう。国連の平和維持活動で軍隊と武器の主要な提供者になっていただろう。アジアの政治的緊張は高まり、国内では思想統制がきびしく、政治的暗殺もしばしばおきたろう・・・・・・。」
日本国憲法の存在をいまいましく思う権力者達は、この60年間、いつか自分達で憲法を制定することを夢見てきた。今回の総選挙の自民党圧勝は好機とみているに違いない。その準備のために外堀を埋め、固めていく準備を着々と進めている。
勉強することも、自分で考えることも、想像することも出来ない国民達は、いつか国民主権が形骸化され、「権力を縛る憲法」を権力者の手に引き渡すことになるのだろう。
60年前のように堕ちてしまわないと、戦争を体験していない人間たちにとってこの重みはわからないのか。
投稿者:nanaya at 21:50
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