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(回答先: この法案の一番の問題点 投稿者 外野 日時 2005 年 10 月 10 日 02:28:15)
「共謀罪」法案を修正して成立させようという動きが出ています。AMLの保存書庫に、修正の動きに警戒を強めるようとの、次のメールが出ています。http://list.jca.apc.org/public/aml/2005-October/003824.html
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共謀罪新設法案が閣議決定され、衆議院に送られ、いよいよ共謀罪をめぐる攻防が本格化している中で東京新聞「こちら特報部」に「共謀罪 米乱発 歯止めなし」が報道されましましたがうこれは実に重要な特集だと考えています。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20051008/mng_____tokuho__000.shtml
(これは外野さんのhttp://www.asyura2.com/0510/senkyo15/msg/351.htmlでUPされている)
というのは、現在共謀罪に対する批判の高まりのなかで、同法案の修正の動きがありますが、まさにその動きこそアメリカの共謀罪のように共謀罪適用の要件に顕示行為、若しくは予備的行為を加えようとするものだからです。
少し長めになりますが、この問題に関しての意見です。
1、アメリカでの共謀罪の乱発は、一度共謀罪がつくられてしまえば、歯止めはないということを示しています。
しかも、アメリカの共謀罪は、共謀罪にたいする批判のたかまりのなかで、いま日本で共謀罪修正の議論となっている顕示行為を適用要件としています。
現在、共謀罪に対する批判のたかまりのなかで、政府・与党の間で、共謀罪の修正のうごきがでています。
また、衆議院選挙の結果、与党の国会多数支配という現実のなかで、野党と法曹界の一部に共謀罪の修正で対応できないかという動きもあります。
(この動きは目新しいものではなく、通常国会の時からありましたが、共謀罪に反対する声の広がりのなかで沈静化していました)その修正の動きの核心の一つが、法律に違反する行為を話し合っただけで処罰することは思想の処罰や、言論・表現の自由の規制につながり、危険であり、共謀罪の適用に条件をつけることで乱用を阻止しようというものです。
その条件というのが、アメリカの共謀罪で適用の要件とされている顕示行為(何らかの行為)です。つまり「話し合ったでけではなく、何らかの行為(顕示行為)が伴う場合、適用される」というものです。
しかし、この顕示行為は、犯罪の実行行為ではありません。日本では、重大な犯罪についてだけ犯罪の実行に向けての具体的準備行為を処罰する予備罪というのがあります。たとえば、殺人を決意し、その下見をするとか、包丁を買うとかの行為です。その行為は殺人予備罪として処罰されます。
法務省の説明では、このアメリカの共謀罪適用の要件となっている顕示行為は日本の予備罪より、更にゆるやかな行為ということのようです。
アメリカで乱発される共謀罪は、たとえその要件に顕示行為などを加えたとしても、同罪適用の歯止めにならないということを明らかにしています。
それでは共謀罪の適用に顕示行為などの要件が加わわれば、共謀罪は思想の自由、言論・表現の自由を侵害する恐れはなくなるのでしょうか。
否!です。
共謀罪に顕示行為などを加えようと、実際に犯罪が行われていない以上、共謀罪は思想処罰、言論処罰と一体です。
2、共謀罪は犯罪の実行を処罰する刑法の原則を根本から踏みにじるものであり、刑法体系の抜本的改悪の道につながるでしょう。
日本の刑法は犯罪が実際に行われ、被害が生じたときにその犯罪行為を処罰する既遂犯の処罰を原則としながら、例外的に未遂(かなり広範に未遂犯処罰規定がある)を、ごく例外的に予備、陰謀を処罰しています。
予備行為は、犯罪の実現である既遂、犯罪に着手したが実現できなかった未遂以前の段階の、実行の着手にはいたらない準備行為のことであり、内乱罪、外患罪、私戦の罪、放火罪、殺人罪、強盗罪などの重大な犯罪に限られています。予備より更に前の段階である陰謀罪(共謀罪)の対象は更に内乱罪、外患罪、私戦の罪、破防法などにしぼら
れています。
2003年の犯罪統計をみても刑法犯認知件数2,790,136件ですが、そのうち既遂2,631,865件、未遂1581,44件、予備127件となっています。陰謀(=共謀)は0件です。
http://www.npa.go.jp/toukei/keiji19/h15_toukei.htm
(「総括 2 罪種別 既遂・未遂・予備別 認知・検挙件数及び検挙人員」を参照)
犯罪統計は既遂の処罰を原則とし、例外的に未遂を、ごく例外的に予備を処罰するという日本の刑法の考え方を反映しているものといえます。
共謀罪の新設が認められたら、いままで内乱罪、外患罪、私戦の罪、破防法にしぼられていた共謀罪は、新たに600を越える犯罪をも対象とすることとなります。これは、ごく例外的に重大な犯罪のみを対象としてきた共謀罪の概念を根本から転換させるものにほかなりません。
これだと、日本も日常的に共謀罪が適用されるアメリカ社会のようになってしまうでしょう。
このことは予備罪との関係でも重大な問題をひきおこします。
予備罪の対象は、内乱罪、外患罪、私戦の罪、放火罪、通貨偽造予備、殺人罪、身代金誘拐、強盗罪、組対法・営利目的拐取、破壊活動防止法などです。しかし、共謀罪がつくられると、予備罪より、共謀罪対象犯罪の方が多くなるという逆転がおきてくることになります。
同じ犯罪でも共謀罪では処罰されるが、より重い罪である予備罪では処罰されないという事態がおきてきます。
例えば、窃盗犯です。共謀罪がつくられると、窃盗犯罪には予備罪はありませんが、共謀罪はあるということになります。
これだと共謀は処罰されるが、予備は処罰されないことになります。
共謀罪の新設は、犯罪の実行を処罰する刑法の原則を根本から覆すものになることは疑いありません。
このように、共謀罪は言論・表現の自由を侵害し、刑法の原則を踏みにじるものです。
共謀罪の新設に反対し、廃案に追い込みましょう。
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