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総選挙とlongtail (ネットは新聞を殺すのかblog)
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投稿者 外野 日時 2005 年 10 月 10 日 16:22:22: XZP4hFjFHTtWY
 

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ネットは新聞を殺すのかblog
http://kusanone.exblog.jp/2208864

2005年 08月 30日

総選挙とlongtail

 ブログが選挙に影響を与えるのかという議論があちらこちらで起こっているのを、興味深くながめている。「ブログが選挙を変える」と興奮気味の人もいれば、「そんなことあるわけないでしょ」を冷ややかな意見の人もいる。結局のところ「ネットはマスメディアを超えるほとの影響を持つことはないが、なんらかの影響を選挙に与えるだろう」という感じのところで議論が落ち着こうとしているように感じる。
 まあ当たり前と言えば当たり前の結論。マスにリーチできるメディアだからマスメディアなんであって、マスへのリーチ力で比較すればネットより上なのは当然。少なくとも現状ではね。将来はわかんないけど。
 でもlongtailの理論でいうと、マスメディアが取りこぼしている部分の人たちにリーチできるということがネットの強み。8対2の法則でいうと、紙面や時間の制約が理由でマスメディアは8割の人たちを対象に情報を発信する。そこで2割の人たちの情報ニーズが取り残される。ところがネットはその2割にまでリーチできる。それこそがネットの強み。マスメディアとは強みが違うわけだから、マスへの影響力を比較しても意味がない。
 で、大事なのはこの2割の人たちがどれだけ重要なのかということだと思う。つまり2割の人がキャスティングボートを握るほど、勢力が拮抗しているのかどうかだと思う。ここの部分は、専門分野でないのでよく分からない。もし拮抗しているのであれば、ネットの言論は大きな意味を持つ。YES!PROJECTのような活動で、普段は選挙に無関心な若者層が大量に投票に出向き、選挙の結果を左右するようなことになれば、今回の選挙を「ブログ選挙」と呼んでもいいのではないかと思う。
 個人的には、小泉さんのパーフォーマンスによる「劇場型選挙」という表現のほうが「ブログ選挙」よりも今回の選挙をうまく形容しているようには思うのだけど。
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ネットは新聞を殺すのかblog
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2005年 01月 26日

Long Tailとマスコミュニケーション全盛時代の終焉

 米国のブログを読んでいると、最近盛んに出現する言葉に「LongTail」というものがある。日本でも渡辺聡さんの「情報化社会の航海図」で何度か取り上げられている。米国ブロガーの中にはLongTailが今年の流行語に選ばれると予言する人もいるくらいなので、ここで一度Long Tailとマスコミの関係について考えてみたい。
 このLong Tailというのは、直訳すれば「長い尻尾」。多分、時間と売り上げの相関関係を示したグラフの釣鐘の形をした曲線の先端(尻尾)が、細く長く伸びる状態を示す言葉だと思う。そして話題のキーワード「Long Tail」の概念を一言で言えば、インターネットがニッチなニーズへの対応を可能にし、商品の寿命が細く長くなった、ということなのではなかろうか。
 この概念を提唱したのが、米ワイヤードのChris Anderson編集長。同編集長が書いた「The Long Tail」という記事には、この概念のことが詳しく書かれている。(この記事は日本語に訳されてホットワイヤードに載っているのだろうか?さくっと探したけれど分からなかった)
 同編集長によると、ビジネスの世界には2対8の法則が存在する。新商品を発売してもヒットするのは、そのうちの2割。ところがその2割の「売れ筋」が売上全体の8割を占める。
 反対にヒットしなかった残りの8割は、いわば「死に筋」。この死に筋の売り上げを合わせても全体の2割にしかならない。
 ところがここにきて、この2対8の法則が崩壊し始めたという。
 その例として挙げられているのが、「タッチング・ザ・ボイド」という本。この本は、英国の登山家ジョー・シンプソン氏がアンデス山脈での登山事故のことを書いたもので、1988年に発売された。当時、絶賛する書評は幾つかあったが、ほとんど売れなかったという。ところが10年後にブームが起こり、文庫版の「タッチング・ザ・ボイド」は14週間連続でニューヨークタイムズのベストセラーリストに載った。
 何が起こったのか。
 同じような登山事故を取り上げたジョン・クラクアー著「インツー・シン・エアー」のヒットの相乗効果だったという。相乗効果を起こしたのが、ネット書店アマゾン・ドット・コムの「この本を買った人はこんな本も買っています」のコーナー。ユーザーの購買履歴のデータベースから自動生成されるコーナーだ。「インツー・シン・エアー」の紹介ベージの同コーナーには「タッチング・ザ・ボイド」が表示された。リンクをたどって「タッチング」のページにジャンプしたユーザーは、他のユーザーが書いた書評を読んで「タッチング」を次々と購入していった。そして何と「タッチング」の販売部数は「インツー」の販売部数を軽く超えて2倍にも達したという。
 広告やマーケティングなどの既存の販売促進メカニズムとは別のところで、ヒットが生まれたのだ。しかもこのような形のヒットの数が非常に多くなっているという。
 同編集長は別の例を挙げている。この記事によると、米国の一般的な書店は13万タイトルの書籍を店頭在庫している。売り場面積の制限があるため、13万タイトルを「売れ筋」と判断し、それ以外の書籍を「死に筋」と判断しているわけだ。ところがアマゾンには売り場面積の制限はない。一般書店が「死に筋」と判断した書籍まで取り扱っている。そしてアマゾンの売上集計結果をみると、13万タイトルの「売れ筋」の売上の総額より、それ以外の「死に筋」の売上の総額の方が大きいという。

 これまで多くのビジネスは2割のヒットを出すことに人、資金、労力の多くを費やしてきた。残りの8割は費用対コストがあまりにも悪く、ビジネスとして成立しなかったからだ。ヒットを出すにはどうすればいいか。大衆ニーズの最大公約数に合う商品を出すことだった。この結果、どの社から出される商品もみな同じようなものになった。選択肢が狭められ、大衆の画一化が進んだ。

 ところが技術革新は、最大公約数から漏れたニーズに対して優れたコストパーフォーマンスで商品を出すことを可能にした。新しい技術や仕組みを使うことで、もともと多様だった大衆のニーズに応えることができるようになったのだ。多様なニーズに効率よく応える仕組みを作った企業が、これからの勝者になるわけだ。

 さてそれではこの現象は、報道という事業にどう当てはまるのだろうか。先のエントリーにも書いたが、「何がニュースなのか」という価値判断は「一般大衆の最大公約数の情報ニーズは何か」ということと同じだと思う。マスコミはこれまで、8割の大衆に必要な2割の情報を取り扱い、2割の大衆が必要とする8割の情報を無視してきたのではなかろうか。
 Long Tailの教訓は、最大公約数のニーズだけを取り扱っているビジネスに成長はない、ということだ。つまりマスコミュニケーションの全盛時代は終ったということなのだと思う。報道機関のこれからの進むべき道は、最新の技術を使って、残り8割の情報までも効率よく取り扱えるような仕組みを作ることなのではなかろうか。その仕組みの中に、自ら発信し始めたネットユーザーの情報をうまく組み入れていくことも大事だと思う。

参考リンク:渡辺さんの「インターネットは80対20の法則を越える」「Yahoo、Google、Blog、RSS後の世の中」。ホットワイヤードのブログは「知の自由市場」と民主主義を進化させるか 最後に渡辺さんのブログからの引用:

ニュース情報の初出から普及プロセスはネットワーク上の主にBlogで引用され、RSSが吐かれることで読者の目に届いていく。Blog経由の場合、多くはコメント付きなため、一次情報+評価情報がセットとなる。その後、時間の経過とともに”Tail”の部分でトピックの議論は深められる。例えばTechnoratiのようなトピックの広がりを追うのに便利なツール、未来検索にも実装されているアラートのような定点観測を可能とするツールを組み合わせると、Tailの深い部分を低い監視&サーチコストで追い続けることが出来る。
時間軸を意識してもう一度捉えなおすと、ニュースが出現してから、「これはやり取りをして意見交換してみる価値がある」というトピックが自然淘汰されて生き残っていくプロセスとなる。ぐいっと引き伸ばすと世論の形成にも繋がって行きそうな話となる。

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参考:

日本における新聞・テレビというものの危険性
http://www.asyura2.com/0505/senkyo14/msg/1018.html
投稿者 外野 日時 2005 年 9 月 21 日

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