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働けない人や働くなくてもいい人の消費が「供給過剰」を緩和し持続的な生産性の上昇に資するからです。
http://www.asyura2.com/0510/senkyo15/msg/420.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 10 日 02:04:12: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: あっしらさん、ご紹介ありがとうございます。(本文も開いて下さい) 投稿者 戦争が全てを解決する 日時 2005 年 10 月 09 日 20:14:22)


なかなか刺激的なHNの「戦争が全てを解決する」さん、どうもです。

現在の日本で団塊の世代が問題視されるのは、層として圧倒的な数を誇る団塊の世代が矢継ぎ早に年金受給者になることが招く現役世代の“負担増”を考慮したものであろうと推察します。

これまで年金保険料を負担してそれまでの老人世帯を支えてきた世代がリタイアして年金受給者になることで、納付保険料と受給年金のバランスが壊れていくため、団塊の世代より若い世代の保険料負担が徐々に増大していく。それにより、消費全体の活力が衰え、経済成長も阻害することになるという認識が問題の基礎にあるのだろうと思っています。

しかし、供給力の不足ではなく国内の需要が減衰していくことが問題ならば、それは経済的ないし政治的に解決できる問題ですから、それを問題視することは、誤った方向に日本を誘導してしまう“危険な錯誤”です。

供給力が不足しているため多くの国民がまともな生活を営むだけの物資やサービスを享受できない状況が予測されるのなら、団塊の世代が就業の場から大量にリタイアして消費のみの生活に移行することは重大な問題と言えます。

老いも若きも汗水垂らして働いても現在の水準の生活ができない人が溢れているという状況なら、老人であっても働く能力がある人には働いてもらい、働くことができない年齢や身体条件に達した人はこの世から引き払ってもらうこともある考えもアリだと思っています。


しかし、現状の日本経済はデフレです。
ということは、供給力の上昇ペースが総需要の増加を上回っている状況が継続していることを意味しています。
そのような状況が総人口と就業者人口が同じ条件で続いていると仮定すると、それは、生産性の上昇が総需要の増加ペースを上回っていることを示すものです。
財やサービスの平均的享受内容が同じだとすれば、それまで6千万人でそれを達成していたのが、5千8百万人、そして5千5百万人とより少ない人手で達成できるようになってきたわけです。


このような基本論理が理解できていれば、リタイアした団塊の世代が“消滅”することは、日本経済の救済ではなく、日本経済の破壊につながることがわかるはずです。

1億2千万人の生活を支える供給活動を6千万人で行ってきた経済社会から2千万人がいなくなれば、総需要は17%ほど減少することになります。
それは、供給活動に従事している人も17%(1千万人)ほど不要になり失業することを意味します。失業者が大量に増加すれば、雇用保険給付や生活扶助の増大のみならず、年金保険料も減収になります。(失業者の増加は、それ自体が失業者の増加を招き、公的負担をさらに増大させるという悪循環をもたらします)

これからの日本は、リタイアする団塊の世代にそこそこ安楽に老後の生活が送れる経済条件を供与しつつ、現役世代も実質的な社会保険の増大がないという政策をいかに実現できるかにかかっていると言えます。

世界最強の産業国家である日本は、そのような政策が実現できる条件を持っています。

55年から70年までの「高度経済成長」は、戦争であまたの若者が犠牲になるだけではなく植民地や支配地も失って労働力が不足しているなかで達成されたものです。
あの時期、日本経済に労働力の余剰があれば、あれほどの成長率は達成されていないはずです。労働力不足が基底にあったからこそ、生産設備の高度化に拍車がかかり急速な生産性の上昇を達成したわけです。

高度経済成長期は、団塊の世代が子どもや学生として消費するだけの立場にあった時代でもあります。
膨大な子ども(非就業者)の生存を支えるだけではなく、物質的生活が急速に向上したのが高度経済成長期です。
(多くの子どもが中学を卒業したら就職するのが当たり前であったのが、ほとんどが高校に進学し、さらには25%が大学にまで進むようになりました)

急激に増えた子どもたち(団塊の世代)を養いながら生活条件を急激に向上させていった高度経済成長期を考えれば、団塊の世代が老人になったからといって恐れるには足らないのです。


※ 関連する投稿をこれまで相当数アップしていますので、概略のみの説明にとどめさせていただきます。


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