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東京・神保町の岩波ホールで上映中のバフマン・ゴバディ監督作…
東京・神保町の岩波ホールで上映中のバフマン・ゴバディ監督作品『亀も空を飛ぶ』を見てきた。今回の総選挙で、見事に欠落したイラクの戦後処理と自衛隊派遣問題をもう一度考える手がかりを求めて▼イランで最初のクルド人監督となったゴバディ監督が二〇〇三年春、イラク開戦前夜のイラク北部クルディスタンの難民村を舞台に、危険な地雷掘りで生計を立てる戦争孤児たちを描いた。クルド語でつくられたイラン・イラク合作映画で、二〇〇四年秋、スペインのサンセバスチャン国際映画祭でグランプリを受賞した▼冒頭、思い詰めた表情の少女が崖(がけ)から身を躍らせる衝撃の場面から映画は始まる。少女に何が起きたのか。地雷で両手を失った兄と、初め弟と思われた盲目の幼児を負ぶった少女。三人は一九八八年のサダム・フセイン軍の毒ガス攻撃で親を失い、村から逃れてきたクルド難民だった。幼児は、兵士に陵辱された少女の子であることがやがてわかる▼ゴバディ監督は「子供を背負いながら歩く少女の姿が亀のように見えた。彼女がうまく泳いだり、飛んだりするためには荷物を置かねばならない」とタイトル着想の思いを語る▼少女に一目惚(ひとめぼ)れする孤児集団のリーダーは大人顔負けの行動力で、戦争が日常化した村の生活を明るく生き抜いている。サダムを倒す米軍を解放者として迎えるしかない国土なきクルド人の悲劇▼自分の身を守るためだけにサマワ駐留を続ける自衛隊とはいったい何なのか。少女のまなざしが鋭く問いかける。十一月二十五日まで上映中。
2005/10/3
http://www.tokyo-np.co.jp/hissen/index.shtml
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