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厚生労働省は1日、次期医療制度改革で都道府県ごとに策定させる「医療費適正化(削減)計画」について、目標通りに医療費を抑制できなかった場合は、国庫補助率を下げるなど都道府県の責任で穴埋めを余儀なくするペナルティー制を導入する方針を固めた。医療費管理に都道府県を関与させ、抑制に真剣に取り組むよう誘導する目的だ。経済財政諮問会議が医療給付費の伸び率を経済成長率以下に抑える「キャップ制」を強く求めているのに対し、ペナルティー制導入で対抗するという狙いもある。
◇厚労省方針…経財諮問会議に対抗
同省は、来年の通常国会に提出する医療制度改革関連法案に、中小企業の会社員が加入する政府管掌健康保険を公法人化し、財政を都道府県単位に分割する一方、市町村の国民健康保険を将来都道府県単位に再編する方針を盛り込む。健康保険組合についても、財政力の弱いところは異業種であっても同一都道府県内ならば統合・再編することを認める。
ペナルティー制の導入は、保険運営者が都道府県単位に再編されることに伴い、都道府県に医療保険政策への責任を持たせるという考えに立つ。具体的には08年度をメドに(1)生活習慣病の危険因子保有者率(2)健康診断受診率(3)平均入院日数(4)在宅看(み)取り率−−などの数値目標を含めた医療費適正化計画を策定させる。同省は計画を作る際の参考となる標準数値や、目標が実現した場合の医療費削減額を示す。
都道府県は計画策定後、5年程度で計画の検証、分析をする。それでも目標が達成できず医療費の抑制に失敗すれば、厚労省は国庫補助率(政管健保の場合13%)の引き下げなどに踏み切る。その場合、保険料を値上げするか、他の財源を削って補てんせざるを得なくなるため、同省は都道府県の医療費抑制への意識が高まるとみている。
「キャップ制」に対し、厚労省は「医療は経済活動には関係のない分野だ」などと否定的だ。経済財政諮問会議の議論でキャップ制導入の流れが固まるのを避ける意味からも、都道府県の自主努力という形の抑制策を打ち出すことにした。【吉田啓志】
毎日新聞 2005年10月2日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20051002k0000m010127000c.html
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