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Yahoo!ニュースからhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060211-00000002-maip-sociより引用
仏像窃盗 東京の自宅に18体 動機は「夢で言われた」?
「夢で、仏像を集めろと言われた」−−。奈良県明日香村の橘寺で仏像を盗んだとして逮捕された大隈光祐容疑者(43)は、県警の調べにこう供述している。東京・新宿の住宅からは仏像18体が見つかり、横流しした形跡はなかった。捜査員は「収納もせず、一部は指が破損するなど扱いがぞんざい」と首をひねり、罰当たりな仏像ドロボーの動機はナゾが残る。ただ、世界遺産の法隆寺や雷門の浅草寺などが被害に遭い、有名寺院は防犯のもろさを露呈させた。【中村敦茂、矢島弓枝】
◆見えぬ動機
橘寺は、聖徳太子生誕の地とされる。今月5日昼間、本堂太子殿の売店職員(64)が、堂内で「コトン」という音に気付くと、大隈容疑者がバッグに薬師如来像の台座部分を入れていた。
「何しとんのや!」と一喝すると、大隈容疑者は観念した様子で、逃げようとしなかった。警察官には、コートの内ポケットなどから、折り畳み式のこぎりやドライバーなどを取りだしたという。なぜか、数カ寺の御朱印の押されたスタンプ帳も持っていた。
この日、大隈容疑者はレンタカーで法隆寺(斑鳩町)から秋篠寺(奈良市)を回り、仏像を盗んだ。秋篠寺は秋篠宮家の名の由来でも有名。法隆寺では、玉虫厨子や百済観音像など国宝を収蔵する大宝蔵院内で、ガラスケースをたたき割ろうとした形跡もあった。
◆経営の店も影薄く
大隈容疑者は福岡県出身で、中央大を卒業後、大手損保へ就職。十数年勤め退社し、現在は上野でネイルサロンを経営。埼玉県朝霞市のマンションで昨秋まで妻と娘と3人で住んでいたが、昨年末ごろから家に帰らなくなったという。
中大時代の同級生は「グライダー部と陶芸の同好会に入っていた。おとなしく、こんな大胆なことをするとは思えない」と驚きを隠さない。
サロンは上野駅近くのマンション4階にある。しかし、数カ月前から勤めるアルバイトの女性事務員によると、客が来たことはなかったという。
◆名刹の守りに課題
法隆寺は盗まれた文殊菩薩像こそ無指定だったが、侵入された西室(かつての僧坊)は国宝で、無残にも格子が6本も切られていた。寺では夜間は警備員が随時巡回している。しかし、日中の拝観者を装う手口に、古谷正覚執事長は「余りに堂々としていて、逆に気が付かなかったのかもしれない」と無念そう。
西室にセンサーは設置していなかった。同寺では痛恨の禁堂壁画焼失が、電気系統が原因とされるだけに「電気系統からの火災の危険がゼロとはいえず、センサーなどの設置には抵抗がある」とも話す。
秋篠寺にはセンサーがあるが、昼間は参拝者に反応してしまう。堀内瑞宏住職は「小型の仏像をしまうなど検討せざるを得ないか」と弱った表情だ。大隈容疑者は昨秋以降、上野の「寛永寺」など都内を中心に50〜60カ寺を回ったと供述した。「中国地方でも盗んだ」とも供述しているという。
(毎日新聞) - 2月11日10時8分更新