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傍聴券を求め並ぶ人たち=24日午前9時30分、名古屋市中区の名古屋地裁で
朝日新聞からhttp://www.asahi.com/national/update/0124/NGY200601240005.htmlより引用
愛知・豊川の幼児殺害事件の被告に無罪判決 名古屋地裁
2006年01月24日13時45分
愛知県豊川市で02年7月、ゲームセンターの駐車場にとめたワゴン車内から男児が連れ去られ、約4キロ離れた三河湾で遺体で見つかった事件で、名古屋地裁は24日、殺人、未成年者略取の罪に問われた住所不定、元トラック運転手河瀬雅樹被告(38)に無罪(求刑懲役18年)を言い渡した。伊藤新一郎裁判長は「誘拐や殺害を認めた被告の自白には重大な疑問がある」と述べた。河瀬被告は同日、釈放された。
事件が起きたのは、02年7月28日未明。豊川市の会社員村瀬純さん(28)の長男翔ちゃん(当時1歳10カ月)が同市内のゲームセンターの駐車場に止めてあったワゴン車から姿を消し、約4時間半後、三河湾で遺体で見つかった。
03年4月、駐車場で寝泊まりしていた河瀬被告が不審人物として浮上し、逮捕された。河瀬被告は「男児の泣き声がうるさく、連れ去った。発覚を恐れ、海に捨てた」と容疑を認めたが、起訴後は「連れ去りも殺害もしていない」と否認に転じ、公判では無罪を主張していた。
判決で伊藤裁判長は、河瀬被告が犯行時間帯に事件現場にいたと断定できないほか、被害者が河瀬被告の車に乗ったことがないと推認できると指摘。「ほぼ唯一の争点」となった自白調書について検討した結果、任意性は認めたものの、「誘拐や殺害の状況、動機に関する自白には不合理な点が多い。捜査員に誘導された可能性を排斥できず、信用できない」と結論づけた。
弁護側は公判で、犯行を認めた自白調書について、「警察の圧力の下で作成された」として、任意性、信用性を否定。弁護側の申請で鑑定を行った心理学者は「被告は相手に迎合しやすい性格。取調官の期待にこたえるような回答をした可能性がある」と証言した。また、男児を岸壁から突き落としたとする供述は、犯行時は干潮で岸壁の下が岩場だったことから、「遺体に傷がないのは不自然だ」と主張した。
これに対し、検察側は自白調書は、「詳細で迫真性に富み、犯人しか供述できない内容だ」と反論。男児が乗っていた車や駐車場の様子など、客観的事実とも符合すると述べた。
また、留置場で同房だった男に「本当はやった」と犯行を認めていたことを明らかにするとともに、遺体の傷も、「犯行時の潮位だと傷はつかない」としていた。