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<山形脱線取材>公式要請なしで報道各社に自粛依頼 JR東
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060110-00000008-mai-soci
昨年末に山形県庄内町のJR羽越線で起きた特急脱線転覆事故で、JR東日本新潟支社が「病院側からの強い要請」を理由に報道各社に取材自粛を求める文書を出したが、被害者の治療にあたった3病院とも実際には公式の要請はしていなかったことが分かった。死傷者を出した事故の当事者であるJRが、「病院側の意向」を理由に挙げて取材自粛を申し入れた姿勢が問われそうだ。
◇「病院の意向」理由に
事故現場を管轄する新潟支社は事故から3日後の昨年12月28日、「お願い」と題する文書を同支社の鉄道記者クラブに加盟する報道各社にファクスで送った。「このたびの事故で負傷されたお客さまは、現在、三つの病院にて加療中です。それら病院に多数の報道関係の方々が取材に入られているとの状況で、病院側より平穏下での治療行為に大きく支障する恐れもあり、是非取材の自粛をお願いして欲しい、と強い要請がございました」として特段の配慮を報道側に求める内容だった。
毎日新聞は負傷者が収容された山形県内の3病院の責任者に直接確認した。県立日本海病院と酒田市立酒田病院では取材によるトラブルはほとんどなく、「取材自粛を申し入れるようJRに要請したことは口頭も含めて一切ない」と証言した。庄内余目病院の責任者は「JRの人たちに、雑談の機会に『断っても記者がしつこく来るんだ』とは話した。取材自粛のお願いまでした記憶はないが、絶対ないかと言われると言い切れない。文書など公式的な形で要請はしていない」と話した。
新潟支社の高橋昌行広報室長は「病院に詰めていた社員から支社対策本部に『病院の方(かた)から報道機関の対応に苦慮している。何とかならないか』という話を受けたとの報告があり、支社対策本部の判断でお願い文書を出した。具体的な病院名などは言えない。取材を制限しようとする考えはなかった」とコメントした。【伊藤正志、北上田剛】
◇「情報隠し」と取られかねぬ
▽大石泰彦・東洋大教授(メディア倫理)の話 事故を起こしたJR東日本はそもそも加害者側であり、乗客や病院の代理人となる立場ではない。病院や患者から公式な要請もないのに報道機関に取材自粛を求めたことは、乗客の証言から事故の真相に迫ろうとする報道機関と乗客を分断し、事故の情報を隠そうとする意図があったのではないかと受け取られてもやむを得ない行為だ。乗客の生命・安全を預かる公共企業としての倫理が問われる。