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姫路住宅火災:楽しく過ごした年末年始、突然の惨事に
3家族9人を巻き込んだ4日未明の兵庫県姫路市の民家火災。火の手は瞬く間に広がった。5人の小学生が行方不明のまま、同日、5遺体が見つかった。母親3人は友人同士で、年末から遊びに来ていたという。楽しく過ごしたはずの年末年始。突然の惨事に、近所の人らは「どうしてこんなことに……」と肩を落とした。
「子どもが中にいるので助けてくれ」。松本敏子さん(43)方の北隣に住む都倉良郎さん(65)は午前3時ごろ、わめくような男性の叫び声を聞き、家を飛び出した。既に松本さん宅の窓からは赤い炎が噴き出していた。叫んでいた男性は松本さんの知人の西田敏広さん(49)とみられ、横には、足に傷を負った松本さんとみられる女性があおむけに倒れていた。女性も「子ども、子ども」と叫んでいた。
周辺は民家が密集しており、幅約1メートル弱の路地に囲まれていた。消防車は近くまで入れず、約30メートル離れた道路からホースを延ばし消火するしかなかった。
「なかなか消防が来ない」。都倉さんは東隣に住む矢島正士さん(58)らとともに、庭の水道栓にホースをつなぎ、そのホースを松本さん宅1階の窓から突っ込み、消火活動を試みたが、屋根が落ちるほどに火の勢いが強い。「この程度の水ではどうにもならなかった」と都倉さんは無念そうに語る。
矢島さんは「年末に、松本さんから『子どもたちが来るので、にぎやかになりそう。騒がしかったらごめんなさい』とあいさつがあった。こんなことになるとは可哀そうに」と唇をかんだ。
近所の人によると、5人の子どもたちは母親同士が仲が良く、長期休みには松本さん方に家族で泊まりに来ていたという。
行方不明の松本栞奈さん(11)は学校でバドミントンクラブに入っていたという。図書委員会の副部長を務めていたほか、地域のバレーボールチームにも所属。年1回の地域対抗球技大会を楽しんでいたという。小学1年生の時から一緒に遊んでいる6年生女児(11)は「元気で明るく、バドミントンやドッジボールが得意だった。大みそかに近所のお寺で会った時に『今年もよろしくね』と言っていたのに……」と声を詰まらせた。
また、高橋正人君(10)は、地域の少年野球チームに入っていた。監督の舩曳典生さん(38)は突然の知らせに驚き「もの静かな半面、物おじしない子。一生懸命に体を動かしていた。誰にでも優しい子だった」と沈痛な表情を浮かべた。
正人君の妹加奈さん(8)はクラスの「お花係」を昨年4月から担当。教室の花瓶の水替えなどを一生懸命にしていたという。同級生の女児(8)は「元気でよくしゃべるかわいい子。上履きに履き替えるのを忘れて教室に入って来る面白いところもあった。『また一緒に遊ぼうね』と年賀状をもらったところだった」と戸惑った様子。別の同級生の母親は「加奈ちゃんは、遅くまで働くお母さんの代わりに家事を手伝うしっかりした子だった。よく団地の外をお兄ちゃんとかけっこしていたのに……」と心配そうに話した。
毎日新聞 2006年1月4日 11時55分 (最終更新時間 1月4日 15時21分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060104k0000e040063000c.html