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2006年01月01日03時03分
http://www.asahi.com/national/update/0101/TKY200512310236.html
山形県庄内町のJR羽越線で特急が脱線・転覆した事故で、事故当時に住宅の屋根や小屋が壊れるなど突風の被害が、事故現場を含めた直線上で約8キロの間に集中していることが山形県警の調べで分かった。住民らの目撃証言や、78年に竜巻で脱線したとされる営団地下鉄(現・東京メトロ)東西線の事故と状況が似ていることから、県警と国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、脱線の主要因となった局所的な突風は竜巻による可能性があるとみて、気象の専門家に協力を得て調べている。
県警などの調べでは、事故があった12月25日午後7時15分ごろに、羽越線から約500メートル東にある集落で、11戸のうち3戸の屋根が突風で吹き飛ぶなどした。一方、線路の西側脇にある農機具小屋も倒壊。線路から南西約6キロにある同県酒田市内の防雪柵(さく)が強風で飛ばされ、さらに西へ約2キロ離れた防風林で立木が折れていた。
これらの被害場所は、脱線事故現場を挟んで東西約8キロのほぼ直線上に並んでいた。周辺の住民は県警に対し、「竜巻だった」「経験したことのない突風や強烈な雷光があった」などと証言している。一方、当日はこのほかの場所で目立った被害は出ていないという。
気象庁の観測記録では、事故当時は寒冷前線が山形県内を通過したとみられる。寒冷前線は、狭い範囲で急激に積乱雲を発達させ、通過時に突風が吹くことが多い。積乱雲が発達すると雷を伴うことがある。
積乱雲が発達中は上昇気流が生じるため、空気を巻き上げる竜巻が生じることがある。一方、しばらくすると下降気流になり、激しい風が地面に向かって吹くダウンバーストと呼ばれる現象が起きることがある。いずれも最大瞬間風速は100メートルに達することがある。
ダウンバーストは同心円上に被害が出るケースが多いのに比べ、竜巻は通過地点に被害が集中することが多いといい、県警と調査委は現地の被害状況から、竜巻による突風が脱線につながった可能性があるとみて調べている。
東西線の事故も寒冷前線の通過時に起きていた。最大瞬間風速は80メートルを超えたとみられるが、現場から800メートル離れた風速計は強風は感知していないなど、今回の事故との多くの類似点が見つかっている。