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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051230/mng_____sya_____015.shtml
栃木県今市市の小一女児殺害事件が起きて、まもなく一カ月になろうとしている。栃木、茨城両県警の懸命の捜査が続いているが、容疑者の逮捕には至らず、地元では不安が募っている。登下校時のパトロールを続ける保護者にも精神的な疲労がたまり、「このままでは町全体が病んでしまう」と臨床心理士は警告する。捜査の長期化は地域住民にどのような影を落としているのだろうか。 (宇都宮支局・松尾 博史)
女児は今月一日、下校途中に行方不明となり、翌二日、茨城県内で他殺体で見つかった。「当初はすぐに解決すると思っていたが…。犯人像や動機が分からず、“第二の犯行”や模倣犯が怖い」。女児が通っていた今市市立大沢小PTA会長の粉川昭一さん(42)は、こう不安な思いを打ち明ける。
事件の長期化とともに住民の疲労も増す。事件後ずっと続く登下校時のパトロールをめぐり「うちの子は自分で守る。よその家の子のことまでは知らない」と参加を渋る人が出てくるなど、保護者の間で温度差も出始めているという。
同小で児童らのカウンセリングを行ってきた県臨床心理士会会長の日野宣千(たかゆき)さん(69)は「犯人像がまったくつかめていないので、憶測が憶測を呼ぶ現象が起きている。このままでは町全体が病んでいくことも考えられる」と心配する。
昨年、奈良市で小一女児が殺害された事件は、小林薫被告(37)=殺人罪などで公判中=の逮捕までに一カ月半を要した。地元の自治連合会会長の馬場徹さん(73)は「子どもたちよりも、親や教員の方が精神的に大変だった」と話す。
小林被告は発生二十八日目に「次は妹を狙う」と女児の母親にメールを送信。住民らは「犯人が近くにいるのでは」と戦々恐々になり、公園からは子供の姿が消えた。
馬場さんは奈良県警本部長を訪ね「逮捕してほしい」と要望。捜査を混乱させないよう、地元で被害者の家族などに関する“うわさ話”を控えるよう心掛けた。
今年も広島市、そして今市市で低学年児童が殺される事件が繰り返された。馬場さんは「今市市民へのアドバイスは難しい」と考え込んだ。そして「日本は大変な国になってしまった」と落胆した。