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http://www.asahi.com/culture/theater/TKY200603180213.html
天才の死、詩的に迫る 映画「ラストデイズ」公開
2006年03月18日15時27分
天才ミュージシャンの自殺までの2日間を描いた「ラストデイズ」が18日、東京・渋谷のシネマライズで公開された(順次各地)。「エレファント」で知られるガス・バン・サント監督が、セリフを排した詩的な映像で天才の孤独と苦悩を表現している。
ドラマチックな展開はなく、淡々と最期の2日間の日常が描かれる。例えば、好物のチーズ・マカロニを作ったり、好みの服を着たり。モチーフにしているのは、94年4月にあった、人気ロックバンド「ニルバーナ」のボーカル、カート・コバーンの銃による自殺だ。
自殺までの2日間に限定しており、コバーンの伝記ではない。「彼がどこにいて、どんなふうに亡くなったかはいまだに謎。何があったのか、本当のことは誰もわからないという意味で我々が想像する余地があると思った」とバン・サント監督。といっても、すべてが想像ではなく、最後に会った人たちの話を参考に作り上げた。
「特別なことはせず、彼が好む日常を過ごしていたと考えた。ドラマ性を排し、実際にやってきたこと、恐らくやったであろうことを描いた」とも語る。コバーンをモデルにしたブレイク役には、ミュージシャンでもあるマイケル・ピットが扮する。
バン・サント監督は「ドラッグストア・カウボーイ」などのインディーズの作品から出発、「誘う女」「グッド・ウィル・ハンティング」などメジャー作品でも高い評価を得てきた。近年は、砂漠で迷った生存者を描いた「ジェリー」、学校での無差別乱射事件を題材にした「エレファント」、今回の「ラストデイズ」と、実際の事件にインスパイアされた3部作を撮ってきた。
「3部作では、『誘う女』の前にやってきた実験的なものに戻った。大作映画はパワーはあるが、常に同じものを繰り返してしまう危険がある。冒険しなくなるので僕自身も離れることが必要だった」
次はどこに向かうかは、「まだ決めていない」という。