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□阿藤快 本格俳優が見せる絶妙の表情 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1739200/detail
阿藤快 本格俳優が見せる絶妙の表情
グルメタレントにとって、最も困るのは出てきた料理がまずいときだろう。露骨に「まずい」と言うわけにもいかないし、かといって「おいし〜い」なんて言っても、表情でバレてしまう。その点、この人の決めゼリフは重宝だ。
「なんだかなぁ〜」
決して褒めているようには聞こえないが、さりとて、作り手もあまり傷つかないように考えられている。決めゼリフの“誕生秘話”にも阿藤快(59)らしさがあふれている。NHKドラマ「赤頭巾快刀乱麻」の撮影でのこと。当時、新人女優だった和久井映見が自分の待ち時間もずっと板の間で正座していた。スタッフが声をかけてやればいいのに、と思いつつ、自分がでしゃばるわけにもいかない。そんな時にポロリと出たのが「なんだかなぁ〜」だった。この一言で誰も傷つけることなく、和久井も笑いながら膝を崩したという。
今や旅・グルメ番組では欠かせない存在だ。彦摩呂、石塚英彦と並んでリポート界の「3トップ」と書いたスポーツ紙もあった。特に準レギュラーで出ている「ぶらり途中下車の旅」(日本テレビ)での小倉久寛との掛け合いは、現代版「弥次喜多珍道中」と言うにふさわしい。
もともとは俳優。それも、黒沢映画「影武者」にも出演している本格派だ。東京都立大在学中から劇団俳優座に籍を置き、中村敦夫、原田芳雄らに鍛えられた。「木枯し紋次郎」でデビューして以来、一時はNHKに引っ張りだこで、「ええにょぼ」「私の青空」などの朝ドラに出演した。
01年に「海」から「快」に改名したのは、「女優・加藤あいと紛らわしかったから」と、本人はギャグをまじえてケムに巻いている。
ガサツ、大ざっぱ、大食らいが特徴のようだが、実は意外な信条を持っている。「一日一生」。胃がんで亡くなった父親が残した言葉だ。
人間、どうせいつかは死ぬ。だったら、くよくよ生きていてもしょうがない。きょう一日をカーンと前向きに生きよう――。
グルメリポートにも、この精神が生きている。どんなささいなものにでも興味を持って、楽しもうという考えだ。
あるインタビューで、こう答えている。
「温泉に行くって決めただけで、もう元気になれるでしょ。そこから先、バカやってても、誰かが喜んでくれればいいやと思ってます」
この信条を貫く限り「3トップ」の座は不動だ。
【2006年2月24日掲載】
2006年02月27日10時00分