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11/05 16:33 ただ働き、食事は残飯 有力者が所有、命令は絶対 ニジェールの「奴隷制」 共同
http://www.asyura2.com/0510/news2/msg/179.html
投稿者 倉田佳典 日時 2005 年 11 月 06 日 20:01:45: eahs5MlcSyO0.
 

11/05 16:33 ただ働き、食事は残飯 有力者が所有、命令は絶対 ニジェール

 世界最貧国の一つ、西アフリカのニジェールでは、有力者に代々
一族が「所有」される奴隷制が今も残る。主人のために働きながら
給料など報酬は一切なく、残飯を食べる生活から逃げ出した人々に
話を聞いた。
 「奴隷になった理由? 分からない。生まれた時から奴隷だった
。父も母も」。首都ニアメーから北東へ四百数十キロ離れた町アバ
ラクの郊外。土壁に囲まれた蒸し暑い家の中で、白いターバンを巻
いたイントリタデンさん(48)は淡々と奴隷だった時の暮らしに
ついて語った。
 アバラクから三十五キロ離れた村にある主人の家に仕え、早朝か
ら深夜まで、男は家畜の世話など、女は水くみやまき拾い。家畜を
一頭でも逃がすなど、仕事で失敗すれば主人に棒でたたかれる。「
主人の命令は絶対だった。食べ物は主人ら家族の食べ残しで、毎日
外で寝る。給料などはない」と振り返る。最近まで女性の足に目印
として足輪が付けられていたという。
 二〇〇二年、過酷な労働に耐え切れず逃げ出し、奴隷の解放を訴
える地元唯一の非政府組織(NGO)、ティミドリア(TMD)に
保護された。町には現在、同様に逃げた約五十人が暮らし、子供た
ちの授業料補助や生活保護を受ける。
 ニジェールでは昔から戦争捕虜などが奴隷にされたが、フランス
が一九二二年に植民地化し、奴隷市場は閉鎖。六〇年の独立後、憲
法で奴隷所有は禁じられた。
 しかし、政府と太い結びつきを持つ各地の有力者らの「特権」と
してひそかに存続。TMDの調査では推定八十七万人の奴隷が存在
するが、これまで解放されたのはわずか約二百三十人だ。タンジャ
大統領は「わが国に奴隷はいない」と公言し、解放作業は進んでい
ない。TMD結成前には、逃亡後に主人に捕まり、連れ戻されるケ
ースがほとんどだった。
 TMDアバラク事務所のビレル事務局長は「彼らは主人に依存し
た暮らしに慣れ、それが運命、義務と思い込んでいる」と指摘。「
保護された当初はどうやって(主人なしで)暮らしていけるのか分
からなかった」と話す人もいるほどで、「逃亡に成功しても、財産
もなく教育も受けていないので良い職を得て自活するのが難しい」
という。
 「生活は楽ではないけど、自由はいい。奴隷の時は何一つ良いこ
とがなかった」。強い日差しが照りつける中、市場に売る縄をせっ
せと作っていたイリティニンさん(60)は笑顔で語った。やはり
奴隷だった妻のタギラフさん(45)も隣で「そう、今は幸せ」と
漏らした。(アバラク共同=渕野新一)
20051105 1633
[2005-11-05-16:33]
11/05 16:35 奴隷制

 奴隷制 国連は所有権に付随する権力・支配を他人から行使され
る人々を奴隷と定義。通常、行動の自由などの基本的な人権を認め
られず、他人の支配下でさまざまな労働を無報酬で強いられ、売買
や譲渡の対象ともされる。また「奴隷制に類似した慣習や実践」と
して、農奴や、金銭と引き換えに強制的に結婚させられる女性、両
親から他人に売られて働かされる18歳未満の子供などを定義して
いる。(ナイロビ共同)
20051105 1635
[2005-11-05-16:35]

11/05 16:34 ニジェール

 ニジェール サハラ砂漠南端に位置する世界最貧国の一つ。国民
の61%が1日1ドル以下で暮らす。人口は約1200万人。国土
の3分の2が砂漠。国連開発計画(UNDP)が9月に公表した人
間開発指数で177カ国中、最下位。国連児童基金(ユニセフ)に
よると、平均寿命は46歳、識字率もわずか16%。1000人の
うち5歳未満で死亡する子は262人に上る。(ナイロビ共同)
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[2005-11-05-16:34]
11/05 16:57 スーダン、モーリタニアも 政府禁止後もひそかに存続

 国際非政府組織(NGO)、反奴隷インターナショナル(本部ロ
ンドン)によると、アフリカではニジェールのほか、モーリタニア
やスーダンでも奴隷制が存続する。
 国連児童基金(ユニセフ)は一九九九年、スーダンで女性や子供
を主な対象にした奴隷売買が今も存続している「反論できない証拠
」があると非難する声明を発表。二〇〇三年に英国への亡命が認め
られたスーダン人女性メンデ・ナゼルさんは、十二歳で奴隷にされ
た体験を書いた自伝「奴隷」で有名になった。
 モーリタニアでも一九八一年、奴隷制は正式に禁止されたが、以
後もひそかに存続。ニジェールの隣国マリやブルキナファソ、チャ
ドでも存在が指摘されている。
 ニジェールでは国内外の圧力で二〇〇三年、奴隷所有者に三十年
以下の禁固刑を科す法律が制定された。今年三月には七千人の奴隷
を一族で所有していると告白したインアテス村の村長の協力により
、奴隷解放式が行われる予定だったが、政府は詐欺容疑で村長らを
逮捕、式は中止された。(ニアメー共同=渕野新一)
20051105 1657
[2005-11-05-16:57]

11/05 17:04 代々仕える家の「財産」 主人は売買も殺害も可能

 ニジェールで残る奴隷制の存在を告発し、解放・支援を求めて活
動する地元唯一の非政府組織(NGO)、ティミドリア代表で、四
月に逮捕され、その後保釈されたイルグイラス・ウェイラ氏(48
)に奴隷制の現状を尋ねた。(ニアメー共同=渕野新一)
 ―今もニジェールに奴隷は存在するのか。
 「奴隷の存在は現実。ただ白人が黒人の奴隷を買った昔の奴隷売
買のような概念とは少し違う。民族は関係なく、どの民族も奴隷を
所有し、奴隷の一族が代々、主人の家族に仕えている。伝統的な家
の相続財産のようなものだ。主人は彼らを売ることも、贈与するこ
とも、殺すこともできる」
 ―なぜ奴隷は逃げ出さないのか。
 「村の首長ら有力者が所有しており、奴隷が逃げようとした場合
、われわれの団体に駆け込む以外に方法はない。しかし、彼らは教
育も受けておらず、小さいころから主人の命令に従うことに慣れ切
っている。一種の洗脳で、中には一度逃げた奴隷がまた主人の元に
帰った例すらある」
 ―二〇〇三年に制定された奴隷所有禁止の法律は。
 「尊重されていない。政府は奴隷の存在を認めず、所有者が罰せ
られた例もない。タンジャ大統領は最近、奴隷制について語る者は
逮捕すると公言している」
 ―今、何が最大の問題か。
 「国が貧しく、奴隷が解放されても、その後、自活が難しい。経
済的な支援が必要だが、政府は彼らを助けようとはしない。われわ
れが支援していくしかないが、資金が足りない。国際的な支援を必
要としている」
   ×   ×   
 イルグイラス・ウェイラ氏 ニジェール中部タウワ近郊のチンタ
バラン出身。1957年1月19日生まれ。フランスに渡りジャー
ナリズムを学び帰国後、国営ニジェール通信に就職し、現在も現職
の記者。91年にティミドリアを結成し、98年から代表。200
4年には国際NGO、反奴隷インターナショナルの反奴隷賞を受賞
している。
20051105 1704
[2005-11-05-17:04]

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