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【シドニー=樋口郁子】19世紀末のロンドンを震撼(しんかん)させた「切り裂きジャック」による連続女性殺人事件の真犯人を、オーストラリアの科学者がDNA鑑定で突き止めようと計画している。
この科学者は、世界でトップ級にランクされるDNA鑑定技術の持ち主で、豪東部ブリスベーン・グリフィス大学のイアン・フィンドレー教授。
1994年に世界で初めて単一の細胞によるDNA鑑定に成功し、髪の毛1本やフケの一かけらといった微量のサンプルでも、約160年前まで溯って鑑定が可能という。
切り裂きジャック事件は、1888年8月末から約2か月間に、ロンドンの売春婦少なくとも5人が連続して殺害され、臓器などを切り取られた猟奇事件。内外のメディアによって、王室関係者や外科医、教師、画家ら10人以上の関与が取りざたされたが、事件は現在に至るまで未解決。犯罪史上最も有名な謎の一つとして残っている。
フィンドレー教授は、「犯人」を名乗る人物が地元新聞社などに送りつけた手紙の切手から、唾液のサンプルを採取する計画。関与が疑われた人々の子孫の協力を得て、DNAが一致するかどうかを調べる。
教授によると、こうした手紙は計約600通に上るが、被害者のものとみられる臓器の一部が同封されていたものなど、真犯人が出した可能性の高い数例を鑑定に使うという。
手紙は現在、英国立公文書館が所蔵しており、現在、貸し出しについて交渉中。教授は「公文書館は非常に協力的だ。もし、手紙と切手が入手できれば、約1週間で鑑定結果を出せる」と意気込んでいる。
事件をめぐっては、「切り裂きジャック」の著書もある米国の人気作家パトリシア・コーンウェルが8月、「新証拠」の公開を英紙で予告するなど、発生から117年を経ても、謎解きの興味が色あせていない。
(2005年11月4日20時12分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051104i213.htm