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□森進一 つかみかけた紅白出場 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1465435/detail
森進一 つかみかけた紅白出場
発表されたとたんに事務所内から歓声が上がった。NHK紅白歌合戦の出場候補の中間発表(10月6日)の瞬間だ。今年の紅白は視聴者から聴きたい歌を募る形で選考を進めている。中間発表ベスト30の中で、「襟裳岬」「おふくろさん」「北の蛍」の3曲が選ばれた。同じ発表ではベテラン・橋幸夫も3曲をランクインさせた。しかし、こちらは吉永小百合とのデュエット曲も含めての数字。実質1位は森進一(57)ということになる。NHK関係者からは「今年は紅白を夕方5時スタートに変えて、“聴きたい歌”コーナーを特設しようか」との声も出ている。
森にとって今年はデビュー40周年というのに、“逆風”が続いた。3月に長年連れ添った森昌子(47)との離婚が発覚し、4月にはC型肝炎で入院。特に昌子との離婚では、「3人の子供も放り出した」「7億円の財産分与請求を無視している」などと散々に叩かれた。進一は現在、個人事務所に所属。対する昌子は大手芸能プロの庇護(ひご)の下にいる。プロダクションの“政治力”がマスコミの論調に影響を与えた可能性も否定できない。
それでも、ファンは見捨てなかった。週刊誌で“進一叩き”が出るたびに、事務所には「頑張って」の電話が殺到し、中には「昌子と結婚した20年前に進一ファンをやめたが、離婚したのでまたファンに戻る」といううれしいような悲しいような声援もあったという。
体調がすぐれないため、例年のような年末の過密スケジュールはこなせないが、9月に出したセルフカバーアルバムが好調で、11月には40周年の記念DVDも出す。さらに、来年2月には過去の映像を集めて編集したDVDも2万8000円という高額で発売予定だ。このDVD発売は、実は未発表だが、それでもファンの間に口コミで広がり、問い合わせが続いているという。
2つの山を乗り越えて、森進一も大きく変わりつつある。健康管理には人一倍気を使うようになり、食事はほとんど野菜中心。これまで「スターだから」と敬遠していた自宅周辺のジョギングも開始した。キャップを目深にかぶっていても、周辺の人には「あ、森進一だ」と、すぐに気づかれる。それでも、「こんにちは」と気さくに声を返すように心がけている。
何より変わったのが歌への思いだ。健康を失い、妻に去られ、子供にもソッポを向かれた。
「やっぱりオレには歌しかない」――。
森進一の歌には新たな情念が加わっている。
【2005年10月28日掲載】