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外来種活用の各地、規制に悲鳴 受粉のハチやカニ養殖…
2006年12月27日(水)18:38
日本固有の生態系を守るため外来動植物の飼育や栽培を規制する外来生物法に、外来種を活用している各地の人々が悲鳴を上げている。野菜栽培に活躍するハチの使用や過疎地でのカニ養殖などへも規制がかかったためだ。
「費用を考えると使用禁止と同じ。ホルモン剤に戻ったら食の安全に逆行する」。日本一のトマト産地、熊本県八代市。1ヘクタール余りの温室でトマトを栽培する宮原和洋さん(51)は顔を曇らせる。
地域ぐるみでトマトの自然受粉に使っている欧州原産のセイヨウオオマルハナバチが今年9月から規制対象となり、「逃がさないように」飼うことが義務づけられた。来年3月以降は温室などの開口部すべてに網を張らなければならない。
農林水産省によると全国のトマトの栽培面積の約4割のほか、ナス、イチゴなどでもセイヨウオオマルハナバチが受粉に使われている。八代市のトマト農家は10年余り前に導入し9割以上が使っている。
以前の植物ホルモン剤での疑似受粉に比べ、セイヨウオオマルハナバチによる自然受粉は薬剤を使わない点だけでなく、ハチを生かすためおのずと農薬の使用量も減った。
だが、外に逃げると植物にも悪影響を与えるとされる。北海道では野生化し、在来種のハチを駆逐している。
新規制で温室の天井にまで網を張ると、宮原さんの場合は250万〜500万円かかるうえ、夏は室温が50度を超え栽培できない。天井を高く建て替えると2億円近くになる。
「安全、安心を考えてハチを選んだ。在来種のハチは働きが悪いし、ホルモン剤に戻れば消費者を裏切ることになる」と宮原さんは心配する。
「なぜ、過疎地で生き抜こうとがんばる私たちをいじめるのか」
山形県山辺町作谷沢地区で、中華料理で人気のチュウゴクモクズガニ(上海ガニ)を養殖する日詰勉さん(65)は嘆く。上海ガニは2月から特定外来種に指定。生きたまま料理するのが人気の調理法だが、個人には生きたまま出荷できなくなった。
作谷沢地区の住民は688人と20年前からほぼ半減し、高齢化で小中学生は30人だけの過疎の村。農業の後継者不足で休耕田が増える一方だ。
日詰さんは02年から、高齢者でも無理なく収入が得られないかと養殖に乗り出した。休耕田を養殖池にしエサをやるだけで7カ月で成長する。借金も含めて1000万円を投資し休耕田を開拓した。規制を受けたのはインターネット販売などで軌道に乗り始めた矢先だ。
廃業の危機に環境省に直談判した結果、既に生業としている場合に限りカニが逃げ出さないさくを作るなどの条件で許可された。だが養殖池は増やせない。「これでは村全体に広げられない。村おこしは遠のいた」と日詰さんは肩を落とす。
上海ガニ養殖は数年前から東北地方など約20カ所で始まったが、規制でやめる所も出ている。
6年前に養殖を始めた静岡県御殿場市の業者は規制に合う設備投資ができず、養殖をやめた。池の埋め立てに約100万円かかり赤字となった。
◇
〈キーワード・外来生物法〉日本の在来の生態系や農林水産業へ被害を及ぼす恐れがある海外起源の生物を特定外来生物に指定し、輸入や飼育、栽培などを原則的に禁じている。これまでにオオクチバス(ブラックバス)、アライグマ、オオキンケイギクなど83種を指定。違反には最高で3年以下の懲役などの罰則もある。
asahi.com
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/science/K2006122702310.html
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