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愉快な研究にイグ・ノーベル賞 日本人受賞は11人
2006年10月07日
イグ・ノーベル賞は「人々を笑わせ、考えさせてくれた研究」に贈られる。米ハーバード大サンダース講堂で5日行われた授賞式は熱気と大歓声、そして笑いに包まれた。米国最古の「学問の町」で研究者や市民が式典を支える姿に、科学大国・米国の奥深さとおおらかさを見た。
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「科学者はユーモアにあふれているのに、堅苦しくて無味乾燥な人たちだと誤解されている」
ほうきを手に会場に現れたハーバード大のロイ・グラウバー教授(81)は熱っぽく語った。
授賞式では紙飛行機が飛び交う。10年ほど前から会場を掃除してきた。昨年、レーザーの理論で本物のノーベル物理学賞を受賞した。「掃除のおかげではありません」と紹介されると、ほうきを掲げて大歓声に応えた。
16回目の授賞式の今回は6人の科学系ノーベル賞学者が参加した。いずれもケンブリッジや周辺が拠点の研究者たちだ。
平和賞の受賞研究となった、若者にしか聞こえない高周波雑音発生器「モスキート」を使い、ノーベル賞学者が聞き取れるかどうかを調べる実験も行われた。「もちろん私には聞こえなかった。聴力は年齢で敏感に変わる。科学の基本だ」とグラウバー教授。
イグ・ノーベル賞は91年、ハーバード大系の科学雑誌「ありそうもない研究」の編集者マーク・エイブラハムズさん(50)が創設した。「賞といえばノーベル賞やアカデミー賞みたいに『最善』か、逆に『最悪』に贈られるものばかり。でも、何かを考えるきっかけを与えてくれるものって大切でしょう」
受賞研究は「キツツキはなぜ頭が痛くならないのか」(鳥類学賞)、「乾燥スパゲティを曲げると、しばしば二つより多い部分に折れてしまうのはなぜか」(物理学賞)、「だれも目を閉じていない集合写真を撮るには、何枚撮影すればいいか」(数学賞)など素朴な疑問に答えるテーマが多い。研究自体は極めてまじめだ。
「スパゲティ」研究チームの一人、仏ピエール・マリー・キュリー大のバジル・オードリーさん(32)は「力を加えた時に物がどう壊れるかは、工学の最も重要な研究テーマの一つです」。大学ではDNAに力を加えた時にどう壊れるのかも調べている。
受賞者の旅費は自己負担、贈られるのは「栄誉」と手づくりの記念品だけ。運営を支えるのは研究者や市民らのボランティアだ。
受賞者を決めるのはエイブラハムズさんと50人ほどの仲間たち。「日本人も何人かいる。名前は秘密だけどね」
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日本はイグ・ノーベル賞大国だ。日本人が関係した受賞は11件に上る。
03年に「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」で化学賞を受けた広瀬幸雄さん(現・金沢学院大教授)は「認められて自信にもつながりました」と振り返る。今は講演の依頼が相次ぐ。
97年の生物学賞を受けた柳生隆視・寝屋川サナトリウム副院長は本業の統合失調症研究ではなく、関西医科大の講師時代、ガムの味の違いで脳波の変化をみた研究が対象になった。受賞は雑誌で知った。「授賞式の招待状を見たような気もするが、よく覚えてないんです」
asahi.com
http://www.asahi.com/science/news/TKY200610070186.html
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