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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sci/20060919/ftu_____sci_____000.shtml
コロナなぜ数百万度?
太陽観測衛星、謎に迫る
太陽観測衛星「ソーラーB」を載せたM5ロケットが、宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)により、近く打ち上げられる。日本の太陽観測衛星は三機目で、コロナ観測で新しい成果が期待される。また日本初の人工衛星を打ち上げたラムダロケットの伝統を引き継ぐM5ロケットは、今回が最後の打ち上げ。有終の美を飾れるか−。 (大島弘義)
打ち上げは二十三日に予定され、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から。
ソーラーBは一九八一年の「ひのとり」、九一年の「ようこう」に次ぐ太陽観測衛星。〇・二秒角という高い分解能を持つ「可視光磁場望遠鏡」は、太陽の表面を百五十キロ四方で精密観測する。
コロナは主に紫外線やエックス線で観測する。ソーラーB搭載の「極端紫外線撮像分光装置」はコロナの密度や温度を測定し、「エックス線望遠鏡」はコロナの構造や動きを調べる。プロジェクトマネジャーの小杉健郎教授は「表面温度が約六千度の太陽でなぜ、コロナが数百万度になるかは天文学の謎の一つ。その解決につなげたい」と話す。
この他、地球上の通信障害を起こす「太陽フレア」についても詳しく観測し、「宇宙天気予報」の改善を図る。
打ち上げから約八分三十秒後、ロケットから分離。北極と南極を結ぶ上空六百三十キロの極軌道に投入される。衛星の重さは九百キロ、本体の長さは四メートル、幅一・六メートルで、開発費用は百三十一億円だ。
M5ロケットは、旧宇宙科学研究所が開発。一九九七年に初号機が打ち上げられて以来七機目で、これまで一機が失敗している。もう一つの主力ロケットH2Aと異なり、固体燃料を使うという特色がある。しかし一機七十五億から八十億円の打ち上げ費用は、同じ能力のロケットに比べ高価だ。
宇宙機構は来年度からM5の次の固体ロケットの開発に入る方針を固め、今回はM5として最後の打ち上げとなる。M5プロジェクトマネジャーの森田泰弘教授は「今は打ち上げを無事に成功させるだけ」と気を引き締めている。
宇宙機構のロケットは、低軌道に十トンの打ち上げ能力を持つH2A、低軌道に四・四トンの衛星を投入するGX(開発中)がある。だが、GXは液化天然ガスを燃料とする二段エンジンの開発が難航。「初打ち上げの予定はどんどん遅れ、見通しがたたない状況」(宇宙関係者)だ。
また、次の固体ロケットは二〇一〇年に試験機1号機の打ち上げを目指すと決まったばかり。日本の衛星打ち上げ手段は当面、H2Aだけが頼りとなる。
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