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2006-08-29
〔いんさいど世界〕 「マグロ戦争」勃発 地中海、波高し 「虹の戦士」号を包囲 フランス漁船団 マルセイユ沖
刺身といったらマグロ、寿司といったらトロ。われわれ日本人にとって、マグロはなんといっても食卓の王者(?)です。
そのマグロの値段が高くなっている。定食屋さんの赤身の刺身の厚さが薄くなっている。
一大事ですね。たかがマグロ、されどマグロだなんて言ってられません!
われわれ日本人にとって(なんかすごくナショナリスティックになっちゃてますが…)、やはりマグロ、そいでもマグロなんですね。
値上がりの背景には、台湾での大幅減船があるのだそうですが、きょうは地中海から届いた新鮮なマグロ・ニュースをお届けしたいと思います。日本ではほとんど知られていないようなので……。
今月23日のことです。場所は地中海、南仏はマルセイユ沖。
補給のためマルセイユに向かっていた一隻の船を、フランスの漁船団が輪になって取り囲みました。入港を阻止しようとしたのですね。
包囲した漁船は、そうフランスのマグロ漁船(「ソニエール」っていうんだそうです。フランスのルモンドって新聞に書いてました)で、なんと20隻。
ルモンド紙(電子版)にはソニエールの包囲写真が載ったり、向こうではたいへんな騒ぎになったわけです。
一方、ソニエールに取り囲まれ、停泊せざるを得なかった船は、あの有名な「虹の戦士」2号。「レインボー・ワリアー」2号。
世界的な環境保護団体である、あの「グリーンピース」の所有船でした。日本的に言えば、「第2虹の戦士丸」といったところでしょうか。
この「虹の戦士」号、実は「戦う船」なんです。フランスの核実験に抗議したり、日本の南氷洋の調査捕鯨船団をつけ回し、キャッチャーボートと鯨の間に入り込んだり、世界各地で「からだを張って」がんばっているんですね。
そのうちの1隻、「第2虹戦丸」(勝手に省略しちゃいました)がどうしてマルセイユ沖で「ソニエール」(マグロ漁船)たちにつかまってしまったかというと、実はこの船、ことしの5月から、地中海のマグロ漁に対する監視活動を続けて、「獲り過ぎ」だって警鐘を鳴らしていたのですね。
地中海のマグロって、漁獲されたあと、どこに行くかというと、もちろん日本。
第2虹戦丸の船主である「グリーンピース」によれば、昨年(2005年)の地中海におけるマグロ漁獲高は、総計で5万3000トン。
これは「大西洋国際マグロ漁委員会」が定めた漁獲割り当ての3万2000トンを、2万トン以上、上回っている。
このままで行けば、地中海からマグロがいなくなっちゃう。
乱獲だ、もうやめろ!
これが「グリーンピース」の主張なんですね。
この漁獲割り当て、3万2000トンという数字も、「グリーンピース」に言わせればとんでもない数字で、地中海のマグロ資源を維持しようと思えば、年間2万5000トン以内にとどめなければならないそうです。
それで「第2虹戦丸」の出動となったわけですが、フランスの漁業者も農民たち(高速道路をトラックで封鎖したり、すごいんです)に負けていません。
燃料などをの補給のためマルセイユ港に入ろうとしたところを取り囲み、24日にはついにスペイン沖へと追い出してしまったのですから。
「第2虹戦丸」の乗組員のブログによれば、包囲した「ソニエール」からは放水も浴びせかけられたようです。
もちろん、これで引き下がる「グリーンピース」ではありません。
「第2虹戦丸」の監視活動はこれからも続行し、「地中海マグロ」を守る国際世論を盛り上げていく構えでいます。
その狙い目は、11月に開かれる「大西洋国際マグロ漁委員会」の総会。
そこで来年の漁獲割り当てが決まるのですが、その会合に向けて、国際的なキャンペーンを強化していく作戦のようです。
場合によっては、地中海の洋上で、フランスだけでなく、リビアやスペイン、トルコ、日本などのマグロ漁船と一戦を交えることになるかも知れません。
これからどうなるか?
いずれにせよ、われわれ庶民にとって、これからどんどんマグロが「高嶺の花」になっていくのは間違いないところ。
鯨に続き、マグロよ、お前もか……ですね。
Posted by 大沼安史 at 10:26 午前
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/
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