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http://www.jst.go.jp/pr/info/info320/index.html
皮膚細胞から万能幹細胞の誘導に成功
JST(理事長 沖村憲樹)は、卵子や受精卵を用いることなく、マウス皮膚細胞から胚性幹(ES)細胞に類似した万能幹細胞(多能性幹細胞)を誘導することに成功しました。
本研究チームは、ES細胞に含まれる4つの因子を組み合わせてマウスの成体や胎児に由来する線維芽細胞に導入することにより、ES細胞と同様に高い増殖 能と様々な細胞へと分化できる万能性(分化多能性)をもつ万能幹細胞を樹立することに成功しました。同チームはこの細胞を誘導多能性幹細胞 (induced pluripotent stem cell, iPS 細胞)と命名しました。
ヒトES細胞は再生医学における資源として期待されていますが、倫理的観点から慎重な運用が求められています。今回の成果により、ヒト皮膚細胞からも iPS細胞が樹立できるようになれば、倫理的問題を克服することができ、脊髄損傷、若年型糖尿病など多くの疾患に対する細胞移植療法につながることが期待 されます。また患者自身の体細胞からiPS細胞を誘導すると、移植後の免疫拒絶反応も克服できると期待されます。
本成果は、JST戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)「免疫難病・感染症等の先進医療技術」研究領域(研究総括:山西弘一(独立行政法人 医薬基盤研究所 理事長))の研究テーマ「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」の研究代表者・山中伸弥(京都大学再生医科学研究所 教授)と高橋和利 (同 特任助手)らによって得られたもので、米国科学雑誌「Cell」オンライン版に2006年8月10日(米国東部時間)に公開されます。
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