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(回答先: 英国民間非営利水道事業会社が示唆する 「第三の道」 pdf 投稿者 hou 日時 2006 年 7 月 30 日 19:05:16)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~k-ombuds/kaihou11.htm
会報11号(2003・11・20)
橿原市 水道料金値上げを表明 値上げより経営改善を!
水道事業の改善すべき課題 この1年で、どれだけ進んだの?
「第三者による経営評価検討委員会」を提案
まちづくり国際交流センター 建設補助金返還命令を拒否
編集後記 橿原市の情報公開条例
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1 橿原市 水道料金値上げを表明
値上げより経営改善を!
9月議会で水道事業管理者から「12月議会で水道料金の値上げ案を提案したい」という話がありました。1年前にも値上げの話がありましたが、市長選の前だったせいか、それとも橿原市民オンブズマンが出した『経営改善すれば値上げの必要はない』との意見に反論できなかったせいか、その時は見送りになりました。しかし、市長が再選された途端に再び値上げ案がでてきたのです。いま、水道料金を値上げする必要がどこにあるのでしょうか。
コロコロ変わる値上げの理由
橿原市民オンブズマンでは平成12、13、14年度の「上水道事業会計決算書」を精査しました。奈良県内でも橿原市の水道料金が高いこともあって、緊迫した状況ではありません。
水道局が1年前にあげた値上げの理由は、「古川浄水場が使えなくなり高い県水の購入量が増えるから」というものでした。ところが今年10月の水道局との話し合いの場で、水道管理者から「水道局には現在83億円の借金がある。これを孫子の代まで持ち越すようなことは許されないから、いま料金値上げをやらなければならない」と、これまでと全然ちがう値上げ理由が出てきました。
しかし、この83億円の借金は、家計でいえばローンのようなもので、すでに長期・短期の返済計画ができていて、水道局はその計画に基づいて返済しており、これからも返済に支障はないものでした。
さらに調べてみると、83億円は公営企業公庫の水道企業債などで、容易に繰り上げ返済が認められるものではありませんでした。すると水道局は、「老朽管を取り替えるなどの事業を進めていかねばならないが、83億円の借金をこれ以上増やすことはできない。だから値上げが必要」と言葉を変えてきました。
不合理な県水の受水契約改定を
橿原市の水道水は、奈良県から9割近くを購入しています。ところが、市民が実際に使用した年間の水道量と関係なく、県条例で定められた『割り当て水量』に対して購入代金を支払う仕組みになっています。
その結果、市民が節水すればするほど、水道料金の単価が高くなります。こんな不合理な購入方法を直ちに見直す必要があります。
市長選でダンマリ
安曽田市長は先の市長選挙で、水道料金改定については一言も触れていないにもかかわらず、再選直後の12月議会に水道料金値上げ案を上程しようとしているのです。
市民生活にかかわる大きな問題は、選挙で市民に問うべきだと考えます。
まず経営の改革を
昨年、市は約5%の値上げを予定していました。それに対して橿原市民オンブズマンは古川浄水場閉鎖による経費増加が約1.5%と試算しました。平成14年度の上水道事業会計は、上水道総事業費の約1%の赤字となりました。この程度の赤字は、現在の厳しい経済状況下で多くの企業が経験していることです。
今、水道局にとって本当に必要なのは、次のような経営改善課題に真剣に取り組むことだと思います。
@古川浄水場閉鎖に伴う余剰人員の対処など適正な人員配置の実施
A「民間は信用できない」として、進んでいない民間委託の促進。
(奈良県下の水道局でも、取水場の管理を民間委託してコスト削減の実績があがっているところがある)
B毎年5〜6億円の水道工事が、本当に必要な工事であるのか、緊急に必要な工事であるのか、費用対効果を検証して実施。
C工事入札に談合はないか。工事価格を引き下げるために、どのように努力しているか。
(全国市民オンブズマン連絡会議の調査では、予定価格(設計金額)の95%以上での落札は、談合有りと判定されている。橿原市において
平成13、14年度の水道事業工事の入札件数148件のうち、95%以上での落札が82件ある)
市民が納得できる 市議会審議を!
市会議員は、水道料金の値上げ案について安易に賛成するのでなく、水道事業の改善状況・値上げ理由の正当性・市民生活への影響など多方面から十分な審議をしてください。
十二月市議会の審議を大いに注目しています。
経営改善がなされないままでの水道料金値上げは、市民として絶対に認められません。
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2 水道事業の改善すべき課題 この1年で、どれだけ進んだの?
ーー水道局の回答と橿原市民オンブズマンの評価・見解ーー
改善すべき課題 改善評価 水道局の説明 オンブズマンの見解
処理の電子化
事務処理の迅速化・省力化による経費の削減 △ 設計積算システムの一部稼動
滞納管理システムの導入(来年度)
上水道地図管理情報システムの導入(来年度) 電子化は一部で推進されているが不十分である。電子化によって経費がどれだけ節約できたのか明らかになっていない
勤務評定・人事考課の採用
適正な評価制度による業務の効率化・サービスの向上 × 市との関係で水道局単独では実施できない 水道局として評価制度の採用をまったく考えていない。
改善の意識がない。
職務権限の委譲
権限委譲による仕事へ創意工夫の育成と使命感・責任感 × 市との関係で水道局単独では実施できない 水道局として組織力の向上をまったく考えていない。
改善の意識がない。
「係」の統合
機動的な組織に統合することによる効率的な業務遂行 × 必要に応じて組織の再編をしたいが、支障のないように体制を保持することが重要 組織の見直しの必要性を感じながらも、現体制を保持することを第一として改善への意欲がまったく示されない。
水道工事の見直し
@現状に合わない第4次拡張事業の中止
A工事入札を改善して適正価格発注 × @第4次拡張事業の目標値を変更、来年度に見直し実施
A本庁と同様の郵便入札制度にするよう試行中
指名業者の指定は市内業者の育成を図る @第4次拡張事業では毎年1億円以上の工事が行われてきた。今後は費用対効果を検証し、必要性が乏しい工事は凍結すべきである。
目標値は変更されたが、見直しの具体的項目が示されていない。
A市内業者育成を名目に市内約20業者を指定業者として工事発注し、談合・癒着の温床となっている。入札制度の改善が遅れている
利息の支払
高金利借入金の借換えと早期返済 △ 条件の範囲内で借換えの手続きをしている 公営企業金融公庫債の借換え条件内で努力はされているが、高金利借入金が残存している。
県営水道料金契約の見直し
県営水道の料金引下げ交渉不合理な受水契約の改善 × 県営水道受水協議会で値下げ要請を行いたい 奈良県営水道の単価は1立方米あたり145円と割高であり、受水契約も県の一方的な取り決めに従っていて橿原市に不利になっている。
今までに契約条件などについて、県との交渉を行った実績がない。
事業の民間委託
浄送水事業の民間委託による経費の削減 × 開閉栓業務の法人委託を開始
滞納整理の収納業務の法人委託を検討
口座振替・納付制を推進し、集金制の廃止検討
浄送水事業は安全面から今後も直営を堅持 県や他市で既に実施され安全が保たれている浄送水事業の民間委託について、根拠のない危惧を理由にまったく推進しようとしない。
民間委託により経費を削減している他市に学ぼうとする姿勢がない。
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3 「第三者による経営評価検討委員会」を提案
橿原市民オンブズマンは、昨年11月の会報8号において、橿原市水道事業の経営における合理化・効率化の課題を掲載しました。
これに対して橿原市水道局は「経営の合理化・効率化に鋭意努力したい」と市議会で説明をしていました。
今年10月、橿原市民オンブズマンは「この1年間、橿原市水道局がどれだけ水道事業の経営合理化・効率化に取り組んできたのか」に関して質問状を提出し、10月23日水道局より回答がありました。
経営改善の課題について、水道局の回答をもとに1年間の改善成果と橿原市民オンブズマンの見解をまとめました。(上記表参照) 回答には、具体的な改善内容が示されておらず、どれだけの費用が節約できたのかなど数値での説明はまったくありませんでした。 『経営努力によって市民に水道料金を安く抑えて提供する』という橿原市水道局の姿勢や意欲はまったくみられません。
橿原市の水道使用量は年々減少し、料金収入は平成10年度と比較して約4.7%も少なくなっています。それに対して、経費はわずか約0.8%しか減少しておらず横ばいの状態です。市民が節水に努めれば努めるほど水道収入は減少するけれど、経費は変わらないため水道料金の給水原価が上がっていくという仕組みになっています。その結果、水道事業が赤字となり、コスト削減の努力もなく、安易に市民に痛みを与える水道料金の値上げを提案し、市議会でも十分な審議もなく可決させるという従来型のパターンが繰り返されています。
このような悪循環を断ち切り、水道事業の経営効率化・合理化を積極的に進め実施するために、市民参加のもとに改善課題について議論・協議して事業方針を決定する「第三者による経営評価検討委員会」の設置を提案します。
橿原市民オンブズマンは、市民の家計に直結する水道料金問題と橿原市水道局の経営改善について、対策チームを中心に今後も活動を続けていきます。詳しい資料をホームページに掲載していますので、ご覧ください。
皆様のご意見や情報をお寄せください。
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