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2006年5月11日(木)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-05-11/2006051115_01_0.html
原油高のなか、菜の花からとれるナタネ油が軽油に代わるエネルギーとして新たな注目を集めています。大気汚染も少ない菜の花の資源循環方式の試みが広がりはじめています。
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静岡県トラック協会は、昨年十月末から約二週間、大型トラック(十二トン)と大型トレーラーの二台で、ナタネ油を加工した新燃料「なたねBDF(バイオディーゼル燃料)」の走行試験を実施しました。運送会社の日常業務で、ナタネ油100%の燃料を利用するのは国内初めての試みです。
「なたねBDF」は、同県内の農場で収穫されたナタネからとったナタネ油を原料として、燃料用に加工したもの。試験は予想以上で、スピードや馬力には問題なく、エンジンにも悪影響はありませんでした。一リットルあたりの走行距離は大型トラックが四・二キロ(総走行距離三千五百十二キロ)、大型トレーラーは同三・六キロ(同四千三百九十七キロ)でした。
「なたねBDF」は軽油とは成分が異なり、排ガスに含まれる有害なスス・微粒子や窒素酸化物がきわめて少ない特徴を持っています。低公害・地球温暖化防止にも役立ち、しかも循環型エネルギー源という一石二鳥の効果が。
同協会では二〇〇一年から休耕田でナタネを委託栽培し、ナタネ油混合燃料で走行試験を開始。静岡県立磐田農業高校でも二年前から、農耕用機械にナタネ油の新燃料を利用し、採油用のナタネ栽培にとりくんでいます。
同協会の窪田智樹部長は「『なたねBDF』は値段がまだ高く、原料になるナタネが必要量確保できないのが悩み。ナタネの一アールあたりの収量も少なく、昨年はトラック二台十四日分しか新燃料をつくれなかった。作付面積をもっと確保できれば、多くのトラックを走らせられる」と語ります。
ナタネ油を燃料にかえて利用する試みとして、廃食油を加工したBDFをつかってコミュニティーバスを走らせたり、ゴミ収集車の燃料としている事例もあります。
「菜の花畑を増やして化石燃料に依存しないトラック輸送」への挑戦。窪田部長はいいます。「ナタネの作付けや燃料化に、国が補助をしてくれればいいと思います。ナタネ燃料トラックは、かすかにナタネ油の香ばしいにおいがします」
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