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世界の環境ホットニュース[GEN] 579号 05年04月13日
発行:別処珠樹【転載歓迎】意見・投稿 → ende23@msn.com
「パーム油だから環境にやさしい」とは言わないで
「地球・人間環境フォーラム」の満田夏花さんから次のようなご意見をいただき
ましたので、ご紹介します。
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「パーム油だから環境にやさしい」とは言わないで
皆さん、最近のライオン「新トップ」のCMをご覧になりましたか? 一面に広がるアブラヤシ(パームやし)農園を映し出し、「環境にやさしい植物原料の洗剤」を前面に打ち出しています(注)。
しかしちょっと待ってください。過去数十年間、国家の後ろ盾もあり、マレーシアで猛烈な勢いで拡大されたパーム・プランテーションは、熱帯林の大規模な転換や、土地を利用してきた先住民の権利の侵害、労働者の権利の問題、農薬汚染など さまざまな環境・社会問題が 指摘されてきています。インドネシアのパーム・プランテーション造成の勢いはさらに急激であり、スマトラ、カリマンタンの残り少ない「保護価値の高い森林」にとっての脅威となっています。私自身もマレーシアのサバ、サラワクや西カリマンタンで、こうした問題を見聞きしてきました。
一方で、パーム油はいまやマーガリンや調理用油、洗剤、塗料、化粧品などの原料として広く使われており、私たちの生活には欠かすことのできない原料です。
近年はバイオ燃料の原料としても有望視されています。原産地の問題を解決するためには、需要側の企業においても、きちんとした環境・社会配慮をおこなって開発・運営されているパーム農園を見分けて、そこから購入していくという、取り組みが必要になってきます。このCMのように一括りに「植物原料だから環境にやさしい」というメッセージは、こうした取り組みを阻害しかねません。
私たち森林問題に関心を持つ環境団体・個人は、こうした認識のもとに、本日、ライオンに対し、「新トップ」のCMに関して「パーム油=環境にやさしい」という誤解を消費者に与えるものとして、「パーム油を使用しているから環境にやさしい」という表現を改めることなどを求めた要請書を提出しました。
ライオンさんのようなリーディング企業は、ぜひ自ら使っているパーム油の原産地情報や環境社会影響を調査・公表の上、「うちは持続可能に生産されたパーム油しか使っていません」ということを言ってほしいものです。私は、これは、パーム油と森林の問題のみならず、環境CMを流す企業の社会に対する説明責任の問題でもあると感じていますが、皆さんはどうお考えになりますか。
要請書の内容と、パーム油の環境社会影響について:
http://www.gef.or.jp/today/060407_lion_cm.htm
ライオンのCMは下記のサイトで見ることができます。
http://www.lion.co.jp/ja/seihin/tvcm/irui/
(注)ライオンは 植物原料だから、CO2 削減効果がある として「環境にやさしい」という表現を使っているそうです。CO2 排出のライフサイクル・アセスメントも行っています。しかし、CO2 のみの評価は環境問題の一側面をしかあらわしていないことに注意が必要です。
(満田夏花/地球・人間環境フォーラム)
http://blog.mag2.com/m/log/0000083496/107162240?page=1#107162240
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≪関連≫
Enviro-News from Junko Edahiro No. 1188 (2006.04.13)
「みなさん、ライオンの洗濯洗剤「新トップ」のTVCM見ましたか?」というメー
ルが届きました。みなさんはご覧になりましたか?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【プレスリリース】2006年4月7日(転送歓迎・重複ご容赦ください)
「パーム油は環境にやさしい」と言わないで
ライオン「新トップ」のCMに関する要請書を提出
国際環境NGO FoE Japan、財団法人地球・人間環境フォーラム、日本インドネシアNGOネットワーク(JANNI)など8団体14個人は、本日、ライオンに対し、「新トップ」のCMに関して「パーム油=環境にやさしい」という誤解を消費者に与えるものとして、「パーム油を使用しているから環境にやさしい」という表現を改めること、パーム油の原産地情報、及び環境社会影響を公表することを求めた要請書を提出した。
オイルパーム・プランテーションの急速な拡大は、東南アジアにおける森林減少の要因の一つとされており、大規模な森林生態系の転換、用地取得に伴う地元住民の権利の侵害、不適切な農薬の使用による水質・労働者の健康への影響、低賃金・危険作業等の労働問題などの環境・社会問題が生じている。
今回、要請を行った団体・個人は、これらの環境・社会問題が生産地において依然として生じていることを踏まえ、問題を解決するためには、選択的なパーム油の購入など消費側においての取り組みが重要であり、「本CMのように一概にパーム油は植物由来だから環境にやさしいとするメッセージは、こうした取り組みを阻害しかねない」ことを指摘している。
パーム油は世界で生産量第2位の植物油であり、日本においても、マーガリン、即席麺やスナック菓子などの揚げ油、調理用油、洗剤、塗料、インク、化粧品などの原料として広く使われている。近年はバイオ燃料の原料としても有望視されている。
添付資料1:「新トップ」のCMに関する要請
http://www.gef.or.jp/today/060407_lion_cm_1.pdf
添付資料2:パーム油生産の環境社会影響について
http://www.gef.or.jp/today/060407_briefing_palm_oil.pdf
この件に関する問い合わせは下記まで。
地球・人間環境フォーラム Tel:03-3592-9735 満田夏花(みつた・かんな)
e-mail: kanna.mitsuta@nifty.com
ウェブサイト
http://www.gef.or.jp/today/060407_lion_cm.htm
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