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バイオマス戦略/実効あげ農村活性化へ(日本農業新聞論説)
http://www.asyura2.com/0510/nature01/msg/407.html
投稿者 heart 日時 2006 年 4 月 07 日 15:56:30: QS3iy8SiOaheU
 

[2006年04月07日付]

 環境保全、自然循環への関心が高まっていることを追い風に生物資源(バイオマス)の利用拡大に弾みがついている。政府は3月末に「バイオマス・ニッポン総合戦略」の見直しを閣議決定し、ガソリンに代わるエネルギーの導入、バイオマス発電などの青写真を描く。農村地域には家畜ふん尿、木皮などの資源がたくさんありバイオマスの宝庫だ。こうした資源を生かし地域活性化に結びつけよう。
 
 バイオマスとは、バイオ(生物)とマス(量)を合わせた言葉で、一般に「動植物から生まれた再生可能な有機性資源(石油、石炭を除く)」と定義する。1970年代の石油危機の時に登場したが、これまでは、あまりなじみがなかった。だが、ここ数年、全国各地でバイオマスの利用は広がりつつある。
 
 例えば、バイオマスプラスチックの利用や、廃食用油のディーゼル燃料化は各地で進む。このほか、生ごみのメタン発酵による発電(北海道滝川市)、木質バイオマス発電(岡山県真庭市)、集落排水・家畜排せつ物のたい肥化(鹿児島県野田町)などがある。石油、石炭に比べれば、とるに足らない規模だが、循環型エネルギーとして注目される。
 
 2002年の総合戦略を見直した今回の戦略では、京都議定書の発効(2005年2月)を背景にして、各省は「バイオマスブーム」かと思うほどの熱の入れようだ。農水省、環境省、国交省、経産省などが、今後の予算獲得をにらみながら、バイオマス導入の道筋、設計図をこぞって行動計画に盛り込んだ。各省の提案は、地球温暖化の防止、循環型社会の形成、戦略産業の育成、農山村の活性化――などを目指している。結構な話だが、夢を夢で終わらせないためには、農業分野では幾つかの課題がある。
 
 第1は、原料となる、たい肥、木皮などは地域内に散在する。これをどう集めて効率的な利用をするかである。運送経費もかさむ。ただ、バイオマス利用はコストだけでは割り切れない。二酸化炭素の排出が少ないエネルギーであることを考える必要がある。
 
 第2は、市町村が自主的に取り組むには財政難を考慮しなければならない。「地球温暖化防止」などの理想だけでは、市町村行政が積極的に取り組むには無理がある。投資と効果を十分に考えての取り組みが必要である。
 
 農山村には、人の入らなくなった林地、耕作放棄地などがある。さらに、家畜排せつ物、製材工場の木くずなどもある。これらは、マイナス面のイメージがあるが、バイオマス利用の観点からすればプラス面である。このプラス面は、十分に利用してこそ価値がある。バイオマス総合戦略の見直しの背景にある京都議定書は、国民が支持するものだ。バイオマス利用に積極的に取り組み、地域の活性化を考える時である。

http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0604/07.html

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