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以下、全て(http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/thisweek.html#もったいない)より
2005 ASPO リスボン会議の報告
1)第4回のASPOリスボン会議5月19日、20日について簡単にご報告する。会議の詳細は6月2日、
ポルトガルの主催者側から下記で公開された。
http://www.cge.uevora.pt/aspo2005/
一言すれば、ヨーロッパでは既に「石油ピーク」は織り込み済みとの印象だが、対する日本はメタン
ハイドレートが近海に天然ガス消費量の100年分あるなどと言う国である。「資源の意味」を理解
せず、量だけで考えるからである。
2)ASPO会議も今回リスボンで四回を数え、「石油ピーク」そのものから石油減耗対策へと主題が移り
つつあるよう思われた。勿論今も石油減耗の時期は話題だが、基本的に今の石油時代が長くないこと
は折込済みである。今回、政治家のパネルディスカッションも行われたが、大人社会ヨーロッパを感
じさせるに十分であった。論理、価値観の多様性を容認するのである。
3)対して日本、さすがに最近の油価乱高下で「石油ピーク」が話題となり始めたが、反応はヨーロッ
パと本質的に違うようである。悲観的なことは聞きたくない、石油ピーク論の意味を考えず、ただ無
視しようとする。メタンハイドレート、宇宙太陽発電などの楽観的技術万能論などはその反動であろ
う。今のままでは、日本の未来が危ぶまれる。石油ピーク論とは本質的に有限地球観そのものであり、
地球資源について科学的理解の深さの問題というべきである。
4)そこで改めて「資源とは」、(1)濃縮されている、(2)大量にある、(3)経済的に採取出来
る位置にあるもの、である。特に1)の濃縮が重要で、基幹エネルギー源として森林、石炭、石油、
天然ガス、ウランなどはこれら「資源3条件」を全て満たす。しかし太陽エネルギーなど自然エネル
ギー源は、1)を満たさない。従って自然エネルギー利用は分散したまま有効利用するのが望ましく、
いたずらに集中しようとするとかなりの入力エネルギーが必要となる。
5)そこで「エネルギーの入出力比、EPR(Energy Profit Ratio)」が重要となる。科学的なエネルギー
政策の樹立にはこのような科学的指標、基準が不可欠なのである。
6)最近の小泉総理の言葉、「脱石油戦略」もASPOで機を見て紹介した。メディアからインタビューを
受けたが、その際持論のEPR論も展開しておいた。
7)石油ピークに関して、戦略的な政策展開には「PLAN-B」が欠かせない。短期、長期的な戦略を混同
しないためである。EPRと共に今後重要なキーワードとしたい。
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