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[2006年02月26日付]
農村の美しさは、長年にわたり地域住民が自然とのかかわりの中で築いたものだが、都市住民にも開かれた国民共通の財産として、次世代に引き継ぐことが課題になっている。こうした農村の美しさを守り、都市との交流拠点をつくる活動が各地で進められている。大阪府貝塚市の農事組合法人「奥貝塚・彩(いろどり)の谷」の取り組みもその一つだ。昔ながらの里山に農業庭園をつくり、都市との交流を深めつつ地域を活性化させる活動は、ほかの多くの地域のモデルとなるだろう。
貝塚市の奥貝塚地区は、谷間を流れる川沿いに集落が広がっている。戦前にはダム建設計画があったが、その後、建設計画は中止になり、大阪府が買い入れていた12ヘクタールの用地は放置されていた。そのダム計画跡地を活用し、豊かな自然を残しつつ、住民が主体になった地域づくりを進めようと、地元と府で話し合いを重ねてきた。その結果、自然や農にふれる体験ができる「農業庭園」をつくることになった。
農業庭園を管理・運営する組織として2002年に、地元の農家と自治会が農事組合法人を設立。同組合は農家だけでなく、非農家も含めた地域ぐるみの構成になっているのが特徴だ。草刈り、清掃、花壇の植栽、のり面の緑化などのほか、各種のイベントも行っている。
農業庭園事業の内容は次の3つに分かれる。1つは都市住民が農作業をする市民参加型農園である。一区画60平方メートルの農園が161区画ある。各農園は駐車場、かん水施設を完備。一区画、年間3万円で貸し出している。週末には農家が農園を巡回して栽培指導、交流の場となっている。各農園で収穫された作物の品評会、モデルとなる農園管理者の表彰などを行い、都市住民との連携を強めている。
2つめが花摘み体験と農産物の収穫体験だ。花摘みは同農園で最も人気があり、PR効果が高い。春はポピー、夏はヒマワリ、秋はコスモスの花が30アールの畑いっぱいに咲く。もう一つの収穫体験は、春にイチゴ狩り、6月にジャガイモ掘り、8〜9月にブドウ狩り、秋にサツマイモ掘りを行っている。
3つめが農産物直売所「いろどりの店」の経営だ。地元農家が作る野菜、果実、花などを販売しているが、特産の水ナスが注目を集めている。水分が多いため市場流通が難しく、自家消費されてきた。「幻の水ナス」として人気が高い。天王寺かぶらなど大阪の伝統野菜の栽培に力を入れる農家も増え、遊休農地の解消に結び付いている。農業庭園内にある川や、ため池の周辺で、親子が参加する生き物調査なども行っている。
こうした農業庭園の活動などを参考にして、身近な環境を見直すとともに、都市との交流を通して、活力に満ちた個性的な農村をよみがえらせていこう。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0602/26.html
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