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ネイチャーやサイエンスは、論文だけではなく追試を確認してから掲載すべきなのだ。
学術雑誌の世界でも商業主義の影響で、内容の真実性より「雑誌が売れる」ことを重視するようになった結果だろう。
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http://www.asahi.com/national/update/0115/TKY200601140278.html
東大教授論文、裏付け再実験「不十分」 調査委結論
2006年01月15日06時01分
生命科学の分野で著名な多比良和誠(たいら・かずなり)東大教授のグループが英科学誌ネイチャーなどに発表した論文について、裏付けとなるデータがないために東京大学大学院工学系研究科が再実験を求めていた問題で、調査委員会は14日、教授らが提出した再実験の結果は不十分として「疑いは晴らせなかった」と結論づけ、最終報告をまとめることを決めた。
韓国・ソウル大学教授の論文捏造(ねつぞう)の衝撃がさめやらない中、日本でも疑問が出た論文の真実性を当事者が期限内に証明できないという事態が出現した。
多比良教授は、遺伝にかかわる高分子、リボ核酸(RNA)の専門家。RNAを使って、遺伝子の働きを人工的に抑える研究などを、著名な科学誌に次々と発表し、注目を集めていた。
ところが昨年4月、日本RNA学会が、12本の論文について結果の再現性に疑いがあるとして、東大に調査を依頼した。たとえば、ある論文で、大腸菌の中でヒトのたんぱく質をつくらせたとあるが、論文に書かれた方法で、そのたんぱく質をつくることはできないといった指摘だった。
工学系研究科は調査委員会を設け、9月に多比良教授らに再実験を要請。12本のうち、比較的容易と考えられた4本について1月初旬までに結果を提出するよう求めた。だが教授らは一部しか実験を終えることができず、14日までに経過を報告した。
調査委員会は、論文の信頼性を確認できなかったという報告書をまとめ、平尾公彦研究科長に提出する。研究科長から報告を受けた東大学長が、教員懲戒委員会に審査を依頼するかどうか判断する。
ネイチャーに掲載された論文のうち1本は、著者の申し出により、すでに取り下げられている。
多比良教授は、「調査委員会の報告を聞いていないので、正式なコメントはできない。今はまだ再実験をしている。調査委員会が実験結果の評価を依頼している専門家と直接話ができなかったことが不満だ」としている。