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冥王星(右)とその衛星のカロン=国立天文台提供
朝日新聞からhttp://www.asahi.com/science/news/TKY200601050108.htmlより引用
衛星に大気なし、地表は「逆温暖化」 冥王星の「ナゾ」
2006年01月06日
太陽系の第9惑星の冥王星を回っている衛星(月)の「カロン」には大気がないことを、米マサチューセッツ工科大などの研究グループが突き止めた。直径が冥王星の半分もあるカロンがどうやってできたのかは謎。グループは、冥王星に天体が衝突し、吹き飛ばされたちりが集まってカロンができた、という説と観測結果が合うとしている。5日付の英科学誌ネイチャーで発表した。
冥王星は太陽から最も遠い惑星で、探査機が到達したことがなく、大気や表面の様子は詳しくわかっていない。
研究グループは、カロンが恒星の前を横切る様子を、ブラジルやチリにある天体望遠鏡で観察。表面に大気があれば、光が大気を通過して徐々に変化するはずだが、大気の存在を示すデータはなかったという。
カロンは衛星としては大きいことなどから、別の軌道にあったものが冥王星の重力につかまったという説もある。
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冥王星の表面温度は従来の推計より10度も低い零下230度とみられると、米ハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターが発表した。薄い窒素の大気と、地表の窒素の氷とが「逆温暖化現象」をもたらし、地表を冷やしているらしい。衛星カロンの表面温度は、従来推計と同じ零下220度ほどだったという。
同センターはハワイ・マウナケア山にある「サブミリ波干渉計」で冥王星と衛星カロンから届く短波長の電波(サブミリ波)を観測、表面温度を割り出した。
冥王星の表面温度はこれまで、太陽からの距離(44億〜74億キロ)などから零下220度ほどと推計されていた。
研究グループは、わずかに届く太陽光が表面の窒素の氷を蒸発させ、熱を奪っている可能性を指摘。この冷却効果が、太陽光が地表を暖める効果を上回り、「予想以上の寒さ」の原因になっている、とみている。