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<アラル海>北西部の住民が集団移住 砂嵐激化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051123-00000050-mai-int
水量の減少で急激に縮小し、環境悪化が深刻な中央アジアのアラル海で、北西部の住民5000人程度を遠隔地に集団移住させる計画が検討されている。カザフスタン政府関係筋が、毎日新聞の取材に明らかにした。湖が干上がるにつれて砂嵐が激化し、漁業が壊滅しただけでなく、周辺住民に健康障害が高率で表れ、地域社会の崩壊も進んでいる。さらに、近い将来、旧ソ連が炭疽(たんそ)菌を扱った生物兵器実験場があった島と陸続きになる懸念も指摘され、計画が浮上した。
アラル海はカザフスタンとウズベキスタンにまたがる塩湖で、かつては世界4位、琵琶湖の約100倍(6万8000平方メートル)の面積があった。旧ソ連のかんがい政策により急速に干上がり、現在は面積が約4分の1程度にまで縮小。周辺地域では、湖底の砂漠化などの環境破壊と、それに伴う経済状況の悪化などに起因するとみられる呼吸器障害や貧血、腎臓障害などの「環境病」の増加が問題視されている。
関係筋によると、カザフ政府はクランディ、アケスペなどの村を含むアラル海北西部の住民を対象に、同北東部の町、アラリスク周辺への移住の検討に入っている。さらに関係筋は、旧ソ連の生物兵器実験場があった島で、既にウズベク側と陸続きになっているボズロジェーニエ島が、カザフ側の対岸3キロ程度にまで接近していることについての懸念も語った。【服部正法】
アラル海の環境を調査してきた石田紀郎・市民環境研究所代表(元京大大学院教授)の話 住民たちがアラリスクなどの町に移住したとしても、仕事を得るのは簡単ではない。都市部の最下層に組み込まれるのではないか。「難民」というより「棄民」と言える。
▽ことば(アラル海縮小) アラル海には、天山山脈に発するシルダリア川(カザフスタン側)、パミール高原に発するアムダリア川(ウズベキスタン側)の二つの大河が流入。旧ソ連は1960年代、中央アジアの乾燥地帯で綿花などの農業生産を高めようと、両河川の水を運河などから大量に取った。その結果、アラル海の水量は急激に減少し、干上がっていった。「20世紀最大の環境破壊」とも指摘される。
(毎日新聞) - 11月23日19時50分更新