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人工衛星の観測データを基に作成した1979年(上)と2005年(下)の夏場の北極海の氷の分布。05年はシベリア沖などでかなり縮小が進んでいるのが分かる(NASA提供)
夏場に北極海を覆う氷の面積がこの9月、人工衛星による観測が始まった1978年以来最小を記録したことが、28日分かった。米雪氷データセンターや米航空宇宙局(NASA)などの共同グループが発表した。
氷が減って海が太陽熱を多く吸収することで、氷の縮小に一層拍車をかける悪循環に突入した恐れが大きいという。グループは「この勢いで氷の縮小が進めば、夏場の氷の消失は21世紀末よりかなり早い時期に起こる」と警告し、地球温暖化も一因との見方を強めている。
北極海の氷は9月に最小となり、冬に拡大するサイクルを繰り返す。最小を記録したのは今月21日で、氷の面積は532万平方キロ。これは78―2000年の夏場の平均より約20%(約130万平方キロ)小さく、日本列島ほぼ3個分が消失した計算だ。
これまでの最小記録は02年で、同年以降、春に氷が解け始める日が早まり、昨冬は冬場の氷の回復も史上最低となるなど縮小が加速している。
氷の縮小には複数の原因が考えられるが、グループによると、これまで重要視されていた、北極圏の大気循環により氷が北極海の外に押し流される現象の影響は、90年代後半から弱まっており、温暖化の影響が注目されている。(共同)
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北極海を覆う真っ白い氷や雪は、太陽から放射される熱エネルギーの多くを反射し、温度の上昇を防いでいる。ところが、何らかの原因で氷の面積が縮小すると、下にあった海は氷よりずっと色が濃いために太陽熱を多く吸収、蓄積する。
氷は夏に解けても冬には回復するため、氷の縮小面積が自然の回復力の範囲内に収まっていれば問題ないが、いったん限度を超えてしまうと「海の温度上昇→氷の縮小→さらなる温度上昇」という流れが加速される。これが「悪循環」の仕組みだ。
悪循環は北極海だけでなく、南極でも起こると指摘されている。極地で解けた氷は水になって海水位を上昇させるほか、地球温暖化を一層悪化させるため、専門家が要注意現象として注目していた。(共同)
(09/29 10:25)
http://www.sankei.co.jp/news/050929/kok042.htm