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月の表面の大小のクレーター=米航空宇宙局(NASA)提供
http://www.asahi.com/science/news/TKY200509160199.html
月や火星などにある古いクレーターの多くは、約40億年前に起きた小惑星の集中的な衝突によって形成された――。こんな結論を国立天文台と米アリゾナ大の研究チームが導き出し、16日発行の米科学誌サイエンスに発表した。
約46億年前に誕生した太陽系では約40億年前ごろ、激しい天体の衝突が集中的に起きたと考えられている。その結果、地球や月、火星などに多くのクレーターができたが、衝突した天体が彗星(すいせい)か小惑星かは、はっきりしていなかった。
チームは月と火星、水星の計1万数千個のクレーターを調べ、直径から衝突した天体の大きさごとの割合を求めた。さらに、火星と木星の間に数多く存在する小惑星の大きさの割合を調べたところ、衝突した天体の大きさの割合とほぼ一致し、衝突した天体が小惑星だったと結論づけた。太陽系の形成過程の一端が解明された形だ。
研究に加わった伊藤孝士・国立天文台主任研究員によると、約40億年前の太陽系では何らかの要因で、木星と土星の軌道が変化したとみられる。伊藤さんは「巨大な木星や土星が動いたことで、惑星間の引力のバランスが崩れて小惑星の軌道も変わり、月や火星などに降り注いだのではないか」と話している。