★阿修羅♪ > 昼休み6 > 437.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 2 投稿者 人魚人(にんぎょじん) 日時 2006 年 3 月 15 日 15:42:20)
http://blog.livedoor.jp/chemconsulting/archives/27973565.html (転載)
技術士(化学部門)CANのブログ
技術開発に関する情報を発信し、交換するブログです
July 13, 2005
科学とニセ科学(2)〜フォトンベルト
「フォトンベルト」という単語を聞いた事があるだろうか?簡単に述べると、次のような事らしい。(参考:ウィキペディア)
・フォトンベルトは銀河系に存在する光子(粒子と反粒子の衝突で生じる)の帯である。フォトンベルトは銀河系に垂直に分布しており、NASAが観測に成功している。
・太陽系はプレアデス星団のアルシオーネを中心として約26,000年周期で回っている。2012年〜2013年頃に太陽系地球はまもなくフォトンベルトに突入し、2000年間続く。
・20世紀末から異常気象や火山活動・地震が頻発しているのは地球がフォトンベルトに入り始めたからである。
・フォトンベルトに突入すると強力な電磁波により太陽や地球の活動に大きな影響が出る。地球人類は肉体を維持できなくなり、気体状の生命体に進化する。地球人類は意識の変革が起こる(アセンション)
・マヤ暦がフォトンベルトの存在を示唆している。地球のフォトンベルト突入の時期(2012年頃)に暦が終わっている。
フォトンベルトに関する著作も出版されている。
フォトン・ベルトの謎―2012年12月の地球大クラッシュ/渡辺延朗
RESET―2012年12月23日、地球はフォトン・ベルトによってリセットされる/渡辺延朗
フォトン・ベルトの真相―2012年12月22日のためのアセンション/エハン・デラヴィ
また、とある福岡市の歯科医師も類似の主張をしているようだ。
(引用開始)
2003年6月、福岡市のイベントホールで開かれた「虫歯菌根絶一万人集会」。主催は院長が会長の日本歯臓協会。「アトピーも治っちゃう」と院長が勧める「歯臓治療」の効果を強調したが、具体的な虫歯菌の根絶策は示されなかった。
2004年6月の健康歯学フォーラムでは、約500人の患者に「地球文明の崩壊や人類を救済する重大な使命がある」。2012年12月、原子レベルで生命体を大変容させるという光エネルギーの帯「フォトンベルト」が地球を覆うのに備えるという。放映されたビデオでは、人が7段階で「神の体」へ進化する過程が解説された。
(引用終了:毎日新聞 2004年8月23日)
結論を言うと、フォトンベルトも簡単なニセ科学だ。科学的な表現を取っているが、一種のオカルトに過ぎない。どこが「ニセ」なのか読解することで科学的思考を鍛えるのにはいいだろう。
皆様も考えていただきたい。
(ニセ科学であるという理由)
・フォトンベルトが存在すると言う直接的な証拠が無い
・フォトンベルトは物理的に存在し得ない
・フォトンが意識の変化を引き起こす証拠が無い
・フォトンベルト論でいう太陽系の公転運動は、観測されている実際の運動と異なる
・確認できないような、陰謀論・秘密組織の動きなどを証拠にしている
最初の3つだけを説明しよう。
1 フォトンベルトは存在するか
フォトンベルトが観測されたというデータが存在しない。
日本の国立天文台も、公式にフォトンベルトの存在を否定している。
フォトンベルトがガンマー線なら、ガンマー線望遠鏡(空気中のチェレンコフ光を観測する)が必要だが、そういうものではないようだ。
2 対粒子の消滅により生じたフォトンが円運動をしてベルトを形成するか
対粒子の消滅、たとえば電子と陽電子の衝突により、通常はガンマー線が生じる。ガンマー線、X線、紫外線、可視光線、赤外線などは、エネルギーが異なるだけで、すべて電磁波の一種である。これらを量子力学的にとらえると、光子と表現することになる。
さて、ガンマー線は直進性が高く、強力な重力場で空間自体が曲がっている場合にのみ曲げられる。極端な例として、ブラックホールの事象の地平線上に沿って、ガンマー線や光などの電磁波が円運動をするだろう。それ以外の理由では、ガンマー線が円運動をするほどの推進力とはならない。
可視光線でも、同じ理由で、可視光線ベルトは存在し得ない。
3 フォトンベルトのエネルギーで、人類の意識が進化するか
フォトンをガンマー線と考える。
基本的には、ガンマー線は高エネルギー放射線であり、放射線障害を引き起こす。ガンマー線を照射することで意識が変化するということは観察されていない。
たとえば、脳の活動の観察に陽電子消滅法(PET)が用いられている。これは、脳内で微量の陽電子を発生させ、電子と対消滅した時に生じるガンマー線を観測することで、脳内の活動を観察することが出来るというものである。もちろん、このガンマー線は、放射線障害を引き起こすにはあまりに微量である。
宇宙から飛来するガンマー線は強力な放射線であるが、通常は大気中で吸収される。もし大気中で吸収されないほど多量のガンマー線が飛来すれば、生物には放射線による障害が生じる。フォトンがX線なら、やはり放射線障害を引き起こす。紫外線なら、悪性の日焼けだ。